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第3部 西洋占星術 / 3-10

区分と偏り
十天体がどこに寄っているか

ここまでは、星座を一つずつ、天体を一つずつ見てきました。この章では十天体をまとめて数えます。「地の星座に六つも集まっている」「始める型の星座に一つもない」といった偏りそのものが、その人の型を教えてくれます。

この記事で分かること
  • 十天体を「火・地・風・水」と「始める・続ける・変える」に振り分けて数える手順
  • 一人分の例(2000年5月5日正午生まれ)で、数えて読むところまで
  • 多いところ・ゼロのところの読み方と、二つの物差しがずれる人の読み方
  • 萬象暦の「四つの元素」の棒グラフが、どう数えているか

星の神が案内します。一つずつ見ていると気づかないことが、数えると急に見えてきます。ここは覚える話ではなく、数える話です。

一つずつ見ていると、見えないもの

ホロスコープを覚えたての頃は、天体を一つずつ読みます。 「太陽は獅子座だから自己表現が主題」「月は蟹座だから身内を大事にする」というふうに。 それも正しい読み方ですが、十個の断片が並ぶだけで、まとまりが出てきません。

そこでまとめて数えます。 十二の星座には、あらかじめ三つの物差しが引いてあります。 この物差しで星座を束ねてから天体を数えると、その人の全体の傾きが一目で出ます。 数えるのは、太陽から冥王星までの十天体です(3-5・3-6)。

三つの物差し

外向きか、内向きか(二区分)

十二の星座は、一つおきに外向き(陽)と内向き(陰)に分かれます。 男性星座・女性星座とも呼びますが、性別ではなく意識の向きの話です。

外向き
陽
牡羊・双子・獅子・天秤・射手・水瓶
(火と風の星座)外へ出ていく。動いてから考える
内向き
陰
牡牛・蟹・乙女・蠍・山羊・魚
(地と水の星座)内へ向かう。受け取ってから動く

どちらが上ということはなく、外向きは出してから確かめ、内向きは確かめてから出す。順番が違うだけです。

動き方の型(三区分)

十二の星座は、四つずつ三組に分かれます。ここが行動の型を表します。 専門の呼び名は「活動宮・不動宮・柔軟宮」。「宮」は星座の古い呼び方です。

始める型
活動宮
牡羊・蟹・天秤・山羊
始める力。動き出しが早い。自分から仕掛ける
季節の始まりの星座
続ける型
不動宮
牡牛・獅子・蠍・水瓶
続ける力。決めたら動かさない
季節の真ん中の星座
変える型
柔軟宮
双子・乙女・射手・魚
変える力。状況に合わせて変える。境目をつなぐ
季節の終わりの星座

覚え方は季節です。 牡羊座は春分、蟹座は夏至、天秤座は秋分、山羊座は冬至から始まります。季節を始める四つが「始める型」です。 その次に来る四つが「続ける型」、季節を次へ渡す四つが「変える型」。この順番で十二星座をぐるりと三回まわります。

何を大事にするか(四元素)

三つずつ四組に分かれます。ここは何に価値を置くかです。 星座の章(3-3・3-4)で一つずつ見た火・地・風・水を、ここでは数として扱います。

火牡羊・獅子・射手 直感・熱・やる気。手応えと達成感に価値を置く
地牡牛・乙女・山羊 感覚・現実・継続。触れられるもの、確かなものに価値を置く
風双子・天秤・水瓶 思考・情報・距離。知ること、伝えることに価値を置く
水蟹・蠍・魚 感情・つながり・雰囲気。好きか嫌いかで決める

動き方の型はどう動くか、元素は何を大事にするか。二つは別のものを見ているので、一人の中でずれることもあります。そのずれの読み方は、後の「二つを重ねる」で扱います。

数えてみる

やることは単純です。十天体それぞれの星座を、上の表に振り分けて、数を書き出すだけです。

  1. 十天体の星座を並べる太陽から冥王星まで、それぞれ何座かを書き出します。
  2. 動き方の型に振り分ける始める型が何個、続ける型が何個、変える型が何個。合計は十になります。
  3. 元素に振り分ける火が何個、地が何個、風が何個、水が何個。こちらも合計十。
  4. 多いところと、ゼロを探す読むのはこの二か所です。真ん中の数は、ひとまず置いておきます。

ほぼ均等に分かれると、動き方の型は3・3・4、元素は2・3・2・3あたりになります。 ここから大きくずれているところが、その人の特徴です。

やってみる(説明用の架空の人)
2000年5月5日の正午に、東京で生まれた人。萬象暦で十天体の星座を出して、振り分けます。
天体星座元素動き方の型
太陽牡牛座地続ける
月牡牛座地続ける
水星牡牛座地続ける
金星牡牛座地続ける
火星双子座風変える
木星牡牛座地続ける
土星牡牛座地続ける
天王星水瓶座風続ける
海王星水瓶座風続ける
冥王星射手座火変える
合計火1・地6・風3・水0始める0・続ける8・変える2

牡牛座に六つも集まった、かなり偏った図です。読むのは「地が6」「続ける型が8」の多いところと、「水が0」「始める型が0」のゼロのところ。以下の表で、この人がどう読めるかを見ていきます。

動き方の偏り ── 行動の型が出る

いちばん多い型が、その人の動き方の癖です。ゼロの型は、苦手な動きを表します。

始める型が多い
続ける型が少ない
始めるのが得意。次々に手を出す。ただし続きにくい。やりかけが増えていく
続ける型が多い
始める型が少ない
始めるまでに時間がかかる。一度始めたら続く。動き出しさえすれば強い
続ける型が多い
変える型が少ない
こつこつ続く。やり方を変えるのと、やめるのが苦手。うまくいかない方法も続けてしまう
変える型が多い
始める型が少ない
自分から仕掛けることは少ない。来たものに合わせるのがうまい。場が変わっても困らない

三つに散っている人は、場面に応じて三つとも使える人です。

例の人なら 続ける8・始める0なので、表の二行目です。動き出しは遅いけれど、始めたら誰よりも長く続く人。最初の一歩だけは、始める日を先に決めてしまうか、人に背中を押してもらうと進みます。

元素の偏り ── 何を大事にするかが出る

火が多い熱があるかで決める。盛り上がらない話に時間を使わない
地が多い形になるかで決める。数字と実物で確かめてから進める
風が多い筋が通るかで決める。感情で押されると引く
水が多い好きか嫌いかで決める。理屈で正しくても、嫌なら動かない

一つの元素に五つも六つも寄っている人は、その価値観が世界の見方そのものになります。 本人には当たり前すぎて、ほかの見方があることに気づきにくくなります。

ゼロの元素は「そこに重きを置いていない」
たとえば地がゼロの人も、細かい作業や手続きはこなせます。 ただ、それを大事なことだと思っていないので、力を入れにくいのです。 「できない」と「重く見ていない」は別のことです。

例の人なら 地6・水0。形になるか、確かなものかで決める人です。一方で水(気持ち・好き嫌い)がゼロなので、人の気持ちより実際の段取りを先に考えがち。悩みを話しに来た相手には、解決策の前に「そうだったんだ」と一言はさむと、ぐっと伝わります。

二つを重ねる ── ここが面白いところ

動き方の型(どう動くか)と元素(何を大事にするか)は、ずれることがあります。 このずれが、その人の「自分でも持て余しているところ」になります。

地が多い/続ける型が少ない続けることは大事だと思っている。でも実際は続かない。だから意志の力で補おうとして、疲れやすい
続ける型が多い/地がゼロ放っておいても続く。でも本人は「続けること」を偉いと思っていない。周りが褒めてもピンとこない

前者は「大事だと思うことに、行動が追いつかない」、後者は「行動が先に立ち、本人はその価値に気づいていない」状態です。 どちらも欠点というより、本人の自己評価と、周りからの見え方がずれるところなので、知っておくと楽になります。

例の人なら 地6(形にすることが大事)と続ける8(実際に続く)で、二つがそろっています。価値観と行動が同じ方向を向いているので、ぶれない強さがある人です。そのかわり、やり方を変えたり引き返したりするのは大の苦手。月に一度、「このやり方のままでいいか」を見直す日を決めておくと、強さが頑固さに変わるのを防げます。

数えるときの注意 ── 世代で揃う分

天体は十個しかありません。 動き方の型に振り分ければ一組あたり三つちょっと、元素なら二つ半です。 この数だと、偏りはごく普通に起きます。「火がゼロ」も「始める型が一つ」も珍しくありません。

もう一つ、天王星・海王星・冥王星は何年も同じ星座に留まるので、同じ年ごろの人はそこが揃います(3-6)。 例の人の「水瓶座の天王星・海王星」「射手座の冥王星」は、2000年前後に生まれた人みなに共通です。 これを除くと、例の人の偏りは地6・風1で、自分だけの部分はさらに地に寄っていると分かります。

円盤のどちら側に寄っているか

もう一つ、数えずに見た目で分かる偏りがあります。天体が円盤のどちら側に固まっているか、です。

上半分社会。外で起きていることに関心が向く。人と関わる場所に出ていく
下半分私生活。身の回りと足元に関心が向く。居場所やルーツを大事にする
左半分自分。自分の意志で進む。人生を自分で決めたい
右半分他者。人との関わりの中で動く。求められて力を出す
ホロスコープの方角は、地図と逆です
ホロスコープは南が上、北が下、東が左、西が右です。 太陽が昇る東の地平線(アセンダント)が左、昼に太陽が高く昇る南の方向が上 ── そう覚えると筋が通ります(3-2 ホロスコープとは何か)。 左右上下はアセンダントを左端にして決まるので、出生時刻が分からないと、この見方は使えません。

例の人なら 正午に生まれたので、太陽は円盤の上のほうにあります。太陽と一緒に牡牛座の天体がまとまって、十天体のうち七つが上半分に、八つが右半分に集まりました。外の世界に出て、人に求められて力を出す人と読めます。昼に生まれた人は上半分に、夜に生まれた人は下半分に、太陽が来ます。

読むときの順序

偏りは、全体の傾きを添えるための物差しです。偏りだけで「この人はこういう人」と決めず、 星座・天体・ハウス・角度と合わせて読みます。

そのうえで、偏りはホロスコープを読むいちばん最初に見ます。 細部に入る前に全体の傾きをつかんでおくと、あとで読む一つ一つの意味が置きやすくなります。 順番の全体像は3-11 ホロスコープを読む順番にあります。

萬象暦ではこう出ます(「四つの元素」の数え方)

「人生占い」の「西洋占星術」にある「四つの元素(火・地・風・水)」の棒グラフは、この章のように一つずつ数えるのではなく、天体ごとに重みを付けて数えています。太陽・月・アセンダントを3、水星・金星・火星を2、木星・土星を1、天王星・海王星・冥王星を0.5、MC(円盤のてっぺんの点)を1として足します。性格によく効く点を重く、世代で揃う天体を軽く見るための、萬象暦独自の数え方です。動き方の型(始める・続ける・変える)も同じ重みで数え、読みの文に使っています(棒グラフには出ません)。

例の人を出生時刻を入れずに出すと、棒グラフは火0.5・地12.0・風3.0・水0.0。その下に「いちばん多いのは地(現実感覚と形にする力)です。」「水の星がひとつもありません。」といった読みが出ます。一つずつ数えた場合と同じく、地に大きく寄って水がゼロ、という結論です。出生時刻を入れると、アセンダントとMCの分が加わります。

自分のホロスコープで数えてみる

萬象暦占いの「人生占い」で生年月日を入れ、「六つの占い」の「西洋占星術」を開きます。「星の位置と角度のデータ」を開くと十天体の星座が出るので、この章の手順で数えてみてください。同じ画面の「四つの元素」の棒グラフと見比べると、偏りの向きが確かめられます。出生時刻も入れると、円盤の図で上下左右の寄り方も一目で分かります。

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