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第2部 四柱推命 / 2-9

蔵干

命式の下の段に並ぶ十二支(子・丑・寅……)の中には、表からは見えない干(甲・乙……の十干)がしまわれています。これを蔵干と呼びます。表に出ている八文字だけでは読めない、外からは見えにくい本音や持ち味が、ここに入っていると考えます。八文字の見た目より細かく読めるのは、この仕組みがあるからです。

この記事で分かること
  • 十二支の中にしまわれた文字(蔵干)とは何か、なぜ一つの支に三つも入っているのか
  • 代表の蔵干の選び方二つ(いちばん強い本気で見る/生まれた日付で選ぶ)と、その手順(例つき)
  • 蔵干から出す「内側の本音」の星と、萬象暦占いの画面での出し方との違い

暦の神が案内します。十二支を「箱」、蔵干を「箱の中身」と思って読んでください。まず自分の生まれ月の十二支の箱を表で開けて、中に何が入っているかを確かめます。

この章では、十干(1-3)と十二支(1-4)、節入り(季節の区切りの日。1-6)、それに通変星の出し方(2-6)を使います。

支は、干の入れ物です

十二支は単独の記号ではなく、複数の干を内側に持っています。 これを蔵干(ぞうかん)といいます。

たとえば寅の中には、戊・丙・甲の三つが入っています。 寅は木の支ですが、火(丙)と土(戊)の要素も隠し持っているということです。 命式の八文字の下に、さらに隠れた文字があると考えてください。

三つの中身の役割 ── 余気・中気・本気

蔵干は最大三つあり、それぞれ役割が違います。 季節の移り変わりにたとえると分かりやすいでしょう。月が替わっても、しばらくは前の月の空気が残り、やがてその月らしい気候になっていきます。 余気は前の月の名残り、本気はその月の主役です。

余気(よき)前の月から残っている気。月の初めの一週間から十日ほど力を持つ
中気(ちゅうき)余気と本気のあいだに入る、少量の気。たとえば寅(春の初め)の中の丙は、次に来る夏の火の芽
本気(ほんき)その支の本体。いちばん強く、月の後半を占める

蔵干の一覧

表の読み方:左の列で支を探すと、右にその中身(蔵干)が並びます。いちばん右の本気が、その支の代表です。 括弧内は、節入りから数えて、その干が受け持つ日数で、下で紹介する「生まれた日で一つ選ぶ」方法に使います。たとえば寅月なら、 立春から7日目までは戊、8〜14日目は丙、15日目以降は甲が受け持ちます。

支余気中気本気
子壬(10日)—癸(20日)
丑癸(9日)辛(3日)己(18日)
寅戊(7日)丙(7日)甲(16日)
卯甲(10日)—乙(20日)
辰乙(9日)癸(3日)戊(18日)
巳戊(7日)庚(7日)丙(16日)
午丙(10日)己(9日)丁(11日)
未丁(9日)乙(3日)己(18日)
申戊(7日)壬(7日)庚(16日)
酉庚(10日)—辛(20日)
戌辛(9日)丁(3日)戊(18日)
亥戊(7日)甲(7日)壬(16日)

どれを採るのか

箱の中身を三つとも同じ重さで使うわけではありません。代表を一つ選ぶ方法は、大きく二通りあります。

本気を代表にするどの支も、いちばん強い本気で見る。いちばん簡単な方法で、萬象暦占いの命式の表で柱ごとに出る星も、この方法で出している
生まれた日で一つ選ぶ生まれ月の十二支(月支)だけは、節入りから何日目に生まれたかで、その日を受け持つ干を一つ選ぶ。日本の本で広く紹介されている方法

年支・日支・時支は、どちらの方法でも本気を中心に見ます。違いが出るのは月支です。後者の手順は次のとおりです。

  1. 生まれた日が、節入りから何日目かを数える節入り当日を1日目とします。
  2. 月支の蔵干表と照らすその日数がどの区間に入るかを見ます。
  3. 該当する干を採るこれが月支の蔵干です。
やってみる
2000年2月15日生まれの場合。この年の立春は2月4日です。
・月支は寅。節入りから数えて12日目です。
・寅の蔵干は 戊(1〜7日)/丙(8〜14日)/甲(15日〜)。
・12日目なので丙を採ります。本気で見る方法なら甲なので、この人は二つの方法で答えが分かれます。

もう一人、1984年5月20日生まれ(月支は巳。この年の立夏は5月5日)なら、節入りから16日目。巳は 戊(1〜7日)/庚(8〜14日)/丙(15日〜)なので丙。本気も丙なので、どちらの方法でも同じ答えです。

中身の干から出す星 ── 蔵干通変星

蔵干が決まったら、それを日干から見た通変星に翻訳します。 やり方は2-6と同じで、五行の関係と陰陽の同異を見るだけです。

こうして出た星を蔵干通変星といいます。 表に出ている干の通変星が外から見える性質だとすれば、 蔵干通変星は内側の本音にあたります。

たとえば、表の干に正官(規律・まっとうな責任)が出ていて、同じ柱の支の蔵干が傷官(鋭い表現・批評眼・こだわり)になる人なら、 「外ではきちんと筋を通すが、内心では自分のやり方へのこだわりが強い」と読むのが入口です(各星の意味は2-7)。

上の2000年2月15日生まれの人(日干は癸)なら、月支の蔵干を日数で選んだ丙は正財、本気の甲なら傷官になります。 選び方で星の名前まで変わるので、ほかの本やサイトと見比べるときは、どちらの方法かを先に確かめてください。

とくに月支の蔵干通変星は特別に重く、 格局(命式の型)を決める材料になります。 これは2-11で扱います。

なぜ支だけ、こんな複雑な仕組みなのか
干は天の気、支は地の気とされます。天の気は澄んでいて一つですが、 地の気は混ざっているという考え方です。 土に木の根も水も鉱物も含まれているのと同じで、 現実(地)は理念(天)ほど単純ではない、という世界観がここに表れています。
流派によるちがい 蔵干は流派によって採り方が分かれる箇所です。
・箱の中身の数 上の表のように前の月の名残り(余気)まで入れる表と、子・卯・酉は一つ、午と亥は二つとする表があります。
・日数の配分 同じ支でも、干ごとの日数が本によって少しずつ違います。
・採り方 日数で一つだけ採る流派と、本気を代表にしつつ三つすべてに強弱をつけて使う流派があります。

萬象暦占いは本気を代表にする側です。 命式の型(格局)だけは、月支の中身のうち命式の上の段にも出ている干を先に採り、出ていなければ本気を採ります(2-11の手順)。 そのため、このページの日数の手順でたどった結果と、画面の星や格局が違うことがあります。

萬象暦ではこう出ます(くわしく)

箱の中身 萬象暦占いは、子・卯・酉は本気だけ、午は己・丁、亥は甲・壬の二つ、ほかの支は上の表と同じ三つを使います。命式の表には、この中身が「蔵干」としてそのまま並びます。
柱ごとの星 四つの柱とも、本気を日干から見た通変星にしたものです。日数では選びません。
格局 月支の中身を本気→中気→余気の順に見て、年・月・時の上の段(日干は自分なので除く)に同じ干があれば、最初に見つかった干で格を取ります。一つもなければ本気で取ります。
五行の量 上の段の干を1、本気を1、そのほかの中身を0.5として数え、棒グラフにしています。
例 上の2000年2月15日生まれの人は、年柱 庚辰・月柱 戊寅・日柱 癸卯(時刻なし)。月支 寅の本気 甲から出る月柱の星は傷官ですが、月の上の段の戊が寅の中にもあるので、格局は戊から取った正官格です。日数で選ぶ方法(丙で正財)と合わせて、三通りの答えに分かれる例です。

自分の命式で確かめる

萬象暦占いの「人生占い」では、「六つの占い」の四柱推命の、いちばん下の折りたたみ「命式の表」に、柱ごとの蔵干と、蔵干(本気)から出した通変星が表示されます。画面は本気で出しているので、日数の手順でたどった人は、月柱の星が違っていないかに気をつけて突き合わせてください。無料で、登録は要りません。

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