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萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > 通変星(一)

第2部 四柱推命 / 2-6

通変星(一)
十種の関係

四柱推命の結果に出てくる「食神」「正財」といった名前は、命式(生年月日から作る八文字の表)に並ぶ文字が、あなた自身から見て、仲間・表現・お金・責任・学びのどれにあたるかを示すラベルです。これを通変星と呼びます。十種類ありますが、覚えることは二つだけです。

この記事で分かること
  • 「食神」「偏官」など十種類の名前が、それぞれ何を表しているか
  • 十種類を、暗記せずに自分で導く方法
  • 自分の命式に多い星から、どんな場面で力が出やすいかを読む入口

暦の神が案内します。命式が立ったら、自分(日干)から見て、ほかの七文字がどんな関係にあたるかを見ていきます。この章では、その関係につける十種類の名前と、名前の決め方を知ります。

「星」は、関係につけた名前です

通変星(つうへんせい、十神とも呼びます)は、 あなた自身を表す文字と、命式のほかの文字との関係につけた名前です。 「あなた自身を表す文字」は、生まれた日の上の文字で、日干(にっかん)と呼びます(2-4 日干)。 西洋占星術の天体とは別のものです。

たとえるなら、あなたを中心にした人間関係図です。同じ人でも、ある人から見れば「仲間」、別の人から見れば「上司」になるように、 命式の同じ文字でも、誰を中心に見るかで呼び名が変わります。四柱推命では、いつも日干を中心に見ます。

変通星(へんつうせい)とも呼ばれます。どちらも同じものです。

決め方は、たった二つの掛け合わせ

通変星は、次の二つだけで決まります。

  1. 五行の関係日干から見て、その干は「同じ」「自分が生む」「自分が剋す」「自分を剋す」「自分を生む」のどれか(五通り)
  2. 陰陽が同じか違うか日干と同じ陰陽か、違う陰陽か(二通り)

「剋す(こくす)」は、抑える・制する、という意味です(1-2 五行で、水が火を消す、のような関係として説明しています)。

一つ目の「五行の関係」を出すのに使う、二つの順
生む順:木→火→土→金→水→木(木は燃えて火を生み、火は灰になって土を生み、土の中から金が出て、金の表面に水がつき、水が木を育てる)
抑える順(剋す):木→土→水→火→金→木(木は根を張って土の養分を奪い、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切る)
この二つの順があれば、どの組み合わせでも自分で通変星を出せます。

五通り × 二通り = 十通り。これが通変星の十種です。 暗記するものではなく、その場で導けます。

表の読み方:まず右端の「意味の芯」だけを上から読んでください。名前と読みは後から付いてきます。「一般の扱い」は、古くからの吉凶の呼び名です。その意味は、表の下の「四吉神と四凶神」で説明します。

通変星読み一般の扱い五行の関係陰陽意味の芯
比肩ひけん—同じ五行同じ自分と対等な存在。仲間、同僚、ライバル
劫財ごうざい四凶神同じ五行違う自分と競い合う存在。強い自我、奪い合い
食神しょくじん四吉神自分が生む同じ自然に出てくる表現。楽しみ、衣食、のびのびした才能
傷官しょうかん四凶神自分が生む違う鋭く出てくる表現。批評、技術、既存の枠を壊す力
偏財へんざい—自分が剋す同じ流動する財。人脈、商才、広く浅く扱うもの
正財せいざい四吉神自分が剋す違う手堅い財。給与、蓄え、こつこつ積むもの
偏官へんかん四凶神自分を剋す同じ厳しい制約。突発的な圧力、責任、行動力。七殺ともいう
正官せいかん四吉神自分を剋す違う穏やかな制約。規律、立場、まっとうな責任
偏印へんいん四凶神自分を生む同じ偏った学び。独自の発想、専門、直感。梟神ともいう
印綬いんじゅ四吉神自分を生む違う正統な学び。知識、母、守られる力。正印ともいう
四吉神と四凶神
十のうち八つには、古くから吉凶の呼び名が付いています。 四吉神は食神・正財・正官・印綬(正印)。素直に力になる星です。 四凶神は劫財・傷官・偏官(七殺)・偏印(梟神)。
残る比肩と偏財は、この四つずつに入りません。
凶神は悪い運命ではなく、強く出るので、向ける先に工夫が要る星です。 傷官は表現の鋭さ、七殺は決断の速さ、劫財は勝負どころの強さでもあります。 向ける先を間違えると、その強さが自分に返ってくる──それが凶神という言葉の中身です。
古典ではどう分けているか(くわしく)

この分け方のもとになった古典『子平真詮』では、財(正財・偏財)・官(正官)・印・食神を素直に使える星、七殺(偏官)・傷官・梟神(偏印)・羊刃を扱いに工夫が要る星としています。羊刃(ようじん)は劫財そのものではなく、陽の日干の勢いが極まる十二支のことです。日本の入門書では、財を正財に、羊刃を劫財に当てて「四吉神・四凶神」と整理することが多く、上の表の「一般の扱い」はその整理に沿っています。

日干 自分 自分を生む 印綬・偏印 自分が生む 食神・傷官 自分が剋す 正財・偏財 自分を剋す 正官・偏官 同じ五行 比肩・劫財
日干から見た五つの関係。それぞれが陰陽の同異で二つに分かれ、合わせて十種になります

やってみる

日干が甲(陽の木)の人の命式に、丁(陰の火)があった場合。

  1. 五行の関係甲は木、丁は火。木は火を生むので「自分が生む」。
  2. 陰陽甲は陽、丁は陰。「違う」。
  3. 表を引く自分が生む × 陰陽が違う = 傷官。

もう一つ。日干が庚(陽の金)で、命式に丙(陽の火)がある場合。 火は金を剋すので「自分を剋す」、陰陽はどちらも陽で「同じ」。したがって偏官です。

自分の命式でも同じようにできます。たとえば2-1で例にした1984年5月20日生まれの人は、日干が甲(陽の木)で、生まれた月の上の文字が己(陰の土)です。木は土を抑えるので「自分が剋す」、陰陽は「違う」。したがって正財。生まれた月の柱は、仕事や社会での立ち位置を表す柱です(柱ごとの場面は2-7で扱います)。そこで「仕事の場に、手堅く積み上げる財の星がある人」と読み始めます。

五つのまとまりで覚える

十種を個別に覚えるより、二つずつのまとまりで捉えるほうが実用的です。 古典ではこう呼びます。

比劫(ひごう)比肩・劫財。自分と同じ五行。自我・仲間・競争
食傷(しょくしょう)食神・傷官。自分が生むもの。表現・才能・出力
財(ざい)正財・偏財。自分が剋すもの。お金・扱う対象・現実
官殺(かんさつ)正官・偏官。自分を剋すもの。責任・立場・制約
印(いん)印綬・偏印。自分を生むもの。学び・支え・受け取る力

命式を眺めるときは、まずこの五つのうちどれが多いかを見ます。 食傷が多ければ表現の人、財が多ければ現実を扱う人、印が多ければ学びの人。 細かい十種の区別は、その後で構いません。

たとえば、命式に食神と傷官(食傷)が合わせて三つある人なら、「話す・書く・作るなど、自分の中から外へ出す場面で力が出やすい人」と読むのが入口です。 反対に、どのまとまりが一つもないかも手がかりになります。どう読むかは、次の章2-7 通変星(二)で扱います。

「正」と「偏」の意味
財・官・印の三組では、名前に正が付くもの(正財・正官・印綬)が陰陽が違う組み合わせで、穏やかで安定した働き。 偏が付くもの(偏財・偏官・偏印)が陰陽が同じ組み合わせで、偏りが強く、振れ幅の大きい働きをします。
残りの二組は向きが逆です。自分と同じ五行(比肩・劫財)と自分が生む五行(食神・傷官)では、陰陽が同じ比肩・食神のほうが穏やかで、陰陽が違う劫財・傷官のほうが鋭く出ます。表の「一般の扱い」とも、この向きで合っています。
正が良くて偏が悪い、という意味ではありません。
流派によるちがい 通変星の決め方(五行関係×陰陽)は全流派で共通です。 分かれるのは名前で、偏官を七殺(しちさつ)、 偏印を梟神(きょうじん)・倒食(とうしょく)、 印綬を正印と呼ぶことがあります。 中国の書物では七殺・梟神のほうが一般的です。 この教科書は日本で通りのよい呼び方を主に使い、別名も併記します。
自分の日干と通変星を見る

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