萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > 五行のバランスと用神
第2部 四柱推命 / 2-10
あなた自身を表す文字(日干)は、命式の中で周りに支えられているか、それとも力を使う先のほうが多いか。四柱推命ではこれを身強(みきょう)・身弱(みじゃく)と呼び、そのうえで何を支え、何を抑えると釣り合うか(用神)を決めます。ここが決まると、読みの方向が定まります。
暦の神が案内します。季節・根・味方の三つを順に確かめると、自分の日干が周りに支えられている側か、力を使う先の多い側かが分かります。最後に、足りない側を補う五行を一つ選ぶところまで一緒に進みます。
この章では、通変星の五つのまとまり(仲間の比劫・表現の食傷・お金の財・責任の官殺・学びの印。2-6)と、十二支の中にしまわれた蔵干(2-9)を使います。
同じ「財が多い命式」でも、日干が強ければその財を扱える、 弱ければ財に振り回されるという正反対の読みになります。
財を、荷物だと考えてください。力のある人が重い荷物を持てば頼もしいですが、 力のない人が同じ荷物を持てば潰れます。荷物の大小ではなく、持ち主との釣り合いを見るのです。 だから最初に日干の強さを測ります。
このたとえの「力」は、命式の中での五行の釣り合いのことです。 身強・身弱は、能力や体力の優劣ではなく、力の出し方の型を表します。 萬象暦占いの人生占いでも、「基本の性格と、人との関わり方」の段落の終わりに、次のような一文が出ます。
判定の手順は、大きく三つです。
表の読み方:左の列で、自分の日干の五行を探します(甲乙は木、丙丁は火、戊己は土、庚辛は金、壬癸は水。1-3)。 次に、生まれた月がどの列に入るかを見ます。見出しの「旺」「相」「休・囚・死」は、季節ごとの力の強さを表す古い呼び名です。
| 日干の五行 | 強い月(旺) | やや強い月(相) | 弱い月(休・囚・死) |
|---|---|---|---|
| 木 | 春(寅卯月) | 冬(亥子月) | 夏・土用・秋 |
| 火 | 夏(巳午月) | 春(寅卯月) | 土用・秋・冬 |
| 土 | 土用(辰未戌丑月) | 夏(巳午月) | 秋・冬・春 |
| 金 | 秋(申酉月) | 土用(辰未戌丑月) | 冬・春・夏 |
| 水 | 冬(亥子月) | 秋(申酉月) | 春・夏・土用 |
自分を生む季節(相)でも力はあります。 木にとって冬(水)は、水生木で助けになるからです。
たとえば2-15の実例の人は、日干が甲(木)で、生まれは巳月(初夏)。 木の行を見ると、夏は右端の「弱い月」に入るので、得令していません。
下の段の十二支の中身(蔵干。2-9)に、日干と同じ五行があるかを見ます。 あれば通根しているといい、日干は地面に根を張った状態になります。
根があるかないかは、強弱を大きく左右します。根のない干は、命式に一つあっても弱い。 逆に根が強ければ、表に味方が少なくても倒れません。 2-15の実例の人なら、生まれた日の下の字が寅で、その本気は甲(木)。日干と同じ木なので、根はあります。
命式の八文字(+蔵干)を、日干から見て二つに分けます。
助けるほうが多ければ身強、減らすほうが多ければ身弱。 ただし単純な個数勝負ではなく、月令(生まれた月の季節の力。上の得令のこと)がいちばん重いことを忘れないでください。 月令を得ていれば、多少数が少なくても身強になります。
強弱が分かったら、何が働くと釣り合うかを考えます。 荷物のたとえでいえば、力が余っている人には運ぶ荷物を、力が足りない人には手伝ってくれる人を足す、という発想です。 この「足すと釣り合う五行」を用神(ようじん)、反対に「足すとさらに傾く五行」を忌神(きじん)と呼びます。 用神は、命式に少ない五行とは限らず、すでにある五行が選ばれることもあります。
表の読み方:自分が身強か身弱かで行を選びます。真ん中の列が用神、右の列が忌神です。 日干が強すぎれば力を使う先を、弱ければ支えを、というのが基本です。
| 状態 | 要るもの(用神) | 邪魔なもの(忌神) |
|---|---|---|
| 身強 | 食傷・財・官殺 ── 力を使う先 | 比劫・印 ── これ以上助けは要らない |
| 身弱 | 比劫・印 ── 助けが要る | 食傷・財・官殺 ── これ以上は消耗する |
この考え方を抑扶(よくふ)といいます。 強すぎるものは抑え、弱いものは扶(たす)ける。四柱推命の読みの基本です。
たとえば2-15の実例は「やや身弱」と判定され、用神は水(印)と木(比劫)、忌神は火・土・金になります。 つまり、学びや支えてくれる人、仲間の力を借りるほど釣り合う形です。 萬象暦占いの四柱推命の画面では、これを日常の行動に直して、「運を整える鍵:相手や状況に合わせて対応すること、学んだことを生かして活動を広げること。」と出します。
用神が分かると、実用的な話につながります。 用神にあたる五行の色・方位・季節・職業が、その人にとって助けになる、という読み方をします。 五行ごとの色・方位・季節は1-2 五行の表にあります。たとえば用神が水なら、水の行を見て、色は黒、方位は北、季節は冬です。
強弱とは別に、命式が寒すぎたり暑すぎたりすることがあります。
真冬(亥子丑月。冬の三か月)生まれで水ばかりの命式は、凍っていて何も育ちません。 この場合は身強・身弱にかかわらず火が要ります。 逆に真夏(巳午未月)生まれで火ばかりなら、水で冷ます必要があります。
このように気候を整えるために採る用神を、 調候用神(ちょうこうようじん)といいます。 極端な季節に生まれた人では、抑扶よりこちらが優先されます。
萬象暦占いは点数化する側です。自分を支える文字の割合を出して、身強・身弱・中庸(どちらでもない形)の三つに分け、上の表の考え方で用神を決めています。
強弱の数え方 四つの柱の上の段の干と、下の段の本気(十二支の中のいちばん強い干)を、日干を助けるもの(同じ五行と、日干を生む五行)かどうかで数えます。月柱は季節の力を重く見て三倍の重みにし、助ける割合が58%以上なら身強、36%以下なら身弱、その間を中庸とします。時刻が分からないときは、三つの柱で数えます。
用神 身強・身弱は上の表のとおりです。中庸の命式では、食傷(日干が生む五行)と印(日干を生む五行)の二つを用神にしています。寒すぎ・暑すぎを直す調候用神は加味していません。偏りが極端で従格(強い流れに従う特別な型)と判定した命式では、上の表を使わず、従う側の五行を用神にします(2-11)。
画面の出方 四柱推命の画面の折りたたみ「四柱推命の用語で見ると」に、「身弱」(自分を支える力が控えめな型)のような分類と、自分を支える五行の割合(%)、「バランスを補う五行(用神)」が出ます。
例 2-15の実例(1984年5月20日10時30分、東京)は、助ける割合が33%で身弱です。36%の境目に近いので、この教科書では「やや身弱」と呼んでいます。同じ人を時刻なしで入れると40%で中庸になり、用神は火と水に変わります。
萬象暦占いの「人生占い」では、「六つの占い」の四柱推命に、五行のバランスが棒グラフで、力の出し方が「得意な取り組み方」(型の説明がない命式では「進め方」)、用神が「運を整える鍵」として日常の言葉で出ます。折りたたみ「四柱推命の用語で見ると」を開くと、「身強・身弱・中庸」の分類と自分を支える五行の割合(%)、「バランスを補う五行(用神)」も見られます(従格と判定した命式では、勢いの側を「生かす要素」として出ます)。手で数えたものと突き合わせてください。無料で、登録は要りません。
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