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第9部 姓名判断 / 9-1

姓名判断とは

名前の画数から読む占いです。ただし歴史は百年に満たないことを、先に書いておきます。「古来より伝わる」という説明を見かけたら、それは正確ではありません。

第9部 姓名判断

数の神が案内します。姓名判断は百年に満たない新しい占いです。それを承知のうえで、仕組みを正確に見ていきましょう。

熊崎健翁が作りました

いまの日本の姓名判断は、熊崎健翁(くまさきけんおう)が 昭和初期(1920〜30年代)に体系化したものです。

中国には古くから姓名を数で見る考え方(姓名学)がありましたが、 五格に分けて八十一数理で読むという現在の形は、 熊崎が組み立てたものです。

そのため日本の姓名判断は熊崎式と呼ばれ、 ほとんどの流派がその変形です。

新しいことは、欠点ではありません
九星気学も大正、数秘術も二十世紀、動物占いは1999年。 広く使われている占いの多くが新しいのは、第12部で見たとおりです。
問題なのは歴史を偽ることのほうです。 「四千年の歴史」と書かれた姓名判断の本があったら、 その本は他のところでも正確でない可能性があります。

何を見るのか

名前の漢字の画数を数え、いくつかの組み合わせで数を出します。 その数を八十一数理という表に当てはめて読みます。

使うもの漢字の画数だけ。生年月日は使いません
読めることその名前が持つ傾向。周囲からどう見られやすいか
読めないこと運命、寿命、財産。名前で人生が決まるわけではありません

なぜ日本で広まったのか

姓名判断が日本で受け入れられた背景には、明治のできごとがあります。

できごと意味するところ
1870年平民に名字が許されるそれまで多くの人に名字が無かった
1875年名字が義務になる全員が姓と名を持つようになる
1898年戸籍が整う名前が文字として固定される

つまり「日本人全員が、決まった姓名を文字で持つ」ようになって、まだ百五十年ほど。 姓名判断が昭和のはじめに生まれたのは、偶然ではありません。 占う対象そのものが、それ以前は無かったのです。

中国には、もっと古い「測字」があります
漢字を分解したり組み替えたりして意味を読む測字(そくじ)という占いが、 古くからありました。
ただしこれは画数を数えるものではありません。字の形や部首から連想する読み方です。 姓名判断とは別の系統と考えたほうがよいでしょう。

名前は、変えられる数です

他の占いと比べたときの、この占いのいちばんの特徴がここです。

使うもの変えられるか
四柱推命・西洋占星術生年月日時変えられない
九星気学・宿曜生年月日変えられない
姓名判断名前の文字変えられる

生年月日で占う占術は、出た結果をどう受け止めるかしかありません。 ところが姓名判断は、結果のほうを動かせてしまう

これは長所でもあり、危うさでもあります。 「画数が悪いから改名しましょう」という商売が成り立つのは、この性質のためです。 変えられるからこそ、変えろと言われやすい。 そこは知ったうえで付き合ってください。

この占いの、いちばん難しいところ

画数の数え方が、流派によって違います。

「沢」と「澤」で画数が変わるのは当然として、 さらに部首を元の字の画数で数えるかどうかという問題があります。

熊崎式は元の字の画数で数えます。 そのため同じ名前でも、流派によって別の数が出ます。 くわしくは9-49-5で扱います。

だからこのサイトでは三通り並べます
名前のしるべは、 新字体・旧字体・熊崎式の三つを並べて表示します。
どれか一つを「正解」として出すことができないからです。 三つを見比べて、共通している部分を重く見る ── という使い方を想定しています。

改名について

姓名判断の商売で、いちばん問題になるところです。

この教科書は、改名を勧めません。 理由は単純で、流派によって良い名前が変わるからです。

ある流派で凶とされる名前が、別の流派では吉になります。 数え方が定まっていないものを根拠に、名前を変えさせるのは筋が通りません。

姓名判断は、いまの名前を眺めるための道具として使ってください。

自分の名前で五格を出してみる

名前のしるべは、新字体・旧字体・熊崎式の三通りの数え方を並べて出します。どの流派でどう変わるかが一目で分かります。無料で、登録は要りません。

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