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第9部 姓名判断 / 9-4

新字体と旧字体

「沢」は7画、「澤」は16画。同じ名字なのに、九画も違います。どちらで数えるのか ── この問いに、姓名判断は答えを持っていません。

数の神が案内します。画数の数え方が定まっていない ── これが姓名判断のいちばんの弱点であり、正直に扱うべきところです。

字体が二つある理由

1946年(昭和21年)、日本は当用漢字表を定め、 多くの漢字を簡略化しました。これが新字体です。

それ以前の字体(中国の『康熙字典』の字形にならったもの)を 旧字体といいます。

新字体画数旧字体画数
7169
8146
51510
8113
8168
10177
1211−1
51914

差が十画を超えることもあります。五格すべてが変わるので、 読みは別物になります。

三つの立場

旧字体で数える姓名判断が体系化された当時(昭和初期)は旧字体だった。作られたときの前提に合わせるという立場
新字体で数えるいま実際に書いている字で数えるべき。使われている字が本人の名前だという立場
戸籍の字体で数える公的にその人の名前とされている字。唯一、客観的に決まるという利点がある

どれが正しいという結論は出ていません。

戸籍の字体という問題

三つめが有力に見えますが、これも簡単ではありません。

「戸籍では澤だが、いつも沢と書いている」という人は珍しくありません。 どちらがその人の名前なのか、決めようがないのです。

この教科書の立場
両方で出して見比べることを勧めます。
片方だけで断定するのは、根拠のない選択をしていることになります。 両方で同じ性質が出る格があれば、そこは字体に左右されないということで、 そのぶん信頼して読めます。
名前のしるべが三通り並べて表示するのは、この考え方からです。

数字の漢字をどう数えるか

もう一つ、意見が割れる箇所があります。 「四」「五」といった数字の漢字です。

「四」は書けば5画ですが、意味は4。 熊崎式の一部の流派は意味の数で数えます

漢字実際の画数意味の数
54
45
27
28
29
210

差が大きい字があります。「七」を2と数えるか7と数えるかで、五画も変わります。

この教科書は実際の画数で数えます。 「意味で数える」を認めると、どこまで意味を読み込むかの線が引けなくなるからです。

流派によるちがい字体 旧字体派・新字体派・戸籍派
数字の漢字 実際の画数派・意味の数派
異体字 「﨑」「德」など。戸籍にある字をそのまま数えるか、標準字体に直すか
どれも決着していません。使う流派を明示することが、 せめてもの誠実さだと思います。
三通りの数え方を見比べる

名前のしるべは、新字体・旧字体・熊崎式の三つを並べて出します。どこで数が変わるのか、どの格が流派によって割れるのかが一目で分かります。無料で、登録は要りません。

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