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萬象暦 占いシリーズ占い入門 > 占いは何をするものか

第0部 はじめに / 0-2

占いは何をするものか

何千年も前の人が空を見上げて、星の動きと地上の暮らしを結びつけようとしました。その積み重ねが、いま私たちの手元にある占いです。生年月日という数字の並びだけから、これだけのことを読もうとしてきた。調べるほど、面白くなります。

ただ、学びはじめる前にひとつだけ。占いは、未来を言い当てるための道具ではありません。ここを取り違えたまま進むと、せっかく覚えたことが使えないままになります。

よく言われる「統計だから当たる」について

占いを擁護するときによく使われる言い方ですが、これは正しくありません。

統計であるためには、母集団を集め、条件をそろえ、 結果を数えて検証する手続きが要ります。 四柱推命にも西洋占星術にも、その手続きを踏んだ記録はありません。 数千年ぶんの観察の蓄積ではありますが、それは統計とは別のものです。

この教科書は、占いを科学として擁護しません。 では値打ちが無いのかというと、そうではありません。 科学でなくても役に立つものは、世の中にいくらでもあります。 何千年も残ってきたということ自体が、それだけの手ごたえが あったということでもあります。

占いは、言葉を借りる道具です

人が占いに行くのは、たいていすでに答えを持っているときです。 転職しようか迷っている人は、心のどこかでもう傾いています。 ただ、それを自分の言葉で言い切る勇気がないだけです。

占いが果たしているのは、その人が自分では言えない言葉を、外から差し出す役割です。 「今年は動く年です」と言われて背中を押されるとき、押しているのは占いではなく、 もともとその人の中にあった気持ちです。

だから、当たった・外れたはあまり重要ではありません
占いの価値は、予言の的中率ではなく、 その人が自分の状況を眺め直すきっかけになったかどうかにあります。 当てにいこうとすると、かえって役に立たない占いになります。

説明のつくところと、つかないところ

いくつか理由があります。正直に挙げておきます。

ただし、これで全部が説明できるとも思っていません。 四柱推命の命式は生年月日から一意に決まり、 そこに書かれた偏りは、本人の人生と符合することが実際に多くあります。 なぜ符合するのかは説明できない、というのが正直なところです。

人を占うときの作法

この教科書を読み終えると、人を占えるようになります。 そのときに守ってほしいことが四つあります。

  1. 断定しない「あなたは離婚する」ではなく「距離の取り方で難しさが出やすい」。占いは傾向であって、確定した未来ではありません。
  2. 逃げ道を必ず残す悪い読みを伝えるときは、必ず「では、どうするか」まで一緒に渡します。それができないなら、言わないほうがましです。
  3. 専門家の領域に踏み込まない病気・法律・お金の判断は、占いで決めることではありません。医師・弁護士・専門家へ促してください。
  4. 相手が聞いていないことを言わない命式を見れば分かってしまうことでも、訊かれていないなら黙っているのが礼儀です。

この四つは、腕の良し悪しではなく人としての作法の話です。 技術より先に身につけてください。