萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > 陰陽
第1部 東洋の占いの基礎 / 1-1
陰と陽は、ものごとを「動と静」「明と暗」のような二つの面に分けて見る考え方です。四柱推命では生まれた日の文字が陽か陰かで読み方が変わり、易では陽の線と陰の線の組み合わせが、そのまま答えの形になります。四柱推命と易を学ぶ人の、最初の一歩の章です。

暦の神が案内します。ここで覚えるのは「二つに分けて見る」という見方ひとつだけです。自分の一日や身の回りのものを、陽か陰かに分けながら読んでみてください。四柱推命と九星気学は、この陰陽と次の五行を土台にしています(宿曜は別の体系なので、ここを読まなくても学べます)。
陰陽(いんよう)は古代中国で育った考え方で、戦国時代(紀元前五〜三世紀)ごろには、世界を陰と陽の二つの力で説明する考えとしてまとまっていたとされます。 ひとことで言えば、ものごとには必ず二つの側面があるという見方をします。
陽は、明るい・動く・外へ向かう・上がる・熱い。陰は、暗い・静か・内へ向かう・下がる・冷たい。 陽が良くて陰が悪い、という話ではありません。昼と夜のように、どちらも要ります。
| 陽 | 陰 |
|---|---|
| 昼 | 夜 |
| 天 | 地 |
| 動 | 静 |
| 外 | 内 |
| 熱 | 冷 |
| 剛 | 柔 |
| 表 | 裏 |
| 拡がる | 縮まる |
陽は「外へ広げる働き」、陰は「静かに内に溜める働き」です。陰陽だけで年や人の良し悪しを決める流派もありますが、この教科書は、陰陽を五行・十干と組み合わせて読みます(下の「占いのどこで使われているか」)。
ここが一番大事なところです。あるものが陰か陽かは、絶対には決まりません。 何と比べるかで変わります。
たとえば「昼」は夜に対して陽です。しかし昼の中で比べれば、朝は陽、夕方は陰になります。 手のひらは陰、手の甲は陽。同じ一人の人間でも、外で働いているときは陽、家で休んでいるときは陰です。
太極図(たいきょくず)を見たことがあると思います。 白と黒が組み合わさった、あの丸い図です。よく見ると、白い部分の中に黒い点があり、黒い部分の中に白い点があります。
これは「純粋な陽も、純粋な陰も存在しない」という意味です。 そして極まったものは、必ず反対へ転じます。
分かりやすいのが夏至です。一年でいちばん昼が長い日、つまり陽が最も強い日ですが、 その翌日から昼は短くなりはじめます。陽が極まった瞬間に、陰が生まれている。 東洋の占いが「絶頂期こそ用心せよ」と言うのは、この考え方から来ています。
四柱推命は、生年月日を十種類と十二種類の「しるし」に置き換えて読む占いです。その十種類のほう、十干(じっかん)は、 五行(木・火・土・金・水。次の章で扱う五つの分類)をそれぞれ陰と陽に割ったものです。 甲(きのえ)は陽の木、乙(きのと)は陰の木。 「きのえ」は木の兄、「きのと」は木の弟という意味で、兄が陽、弟が陰です。 「えと」という言葉は、この兄弟(え・と)から来ています。
たとえば1984年5月20日生まれの人の日干は甲(陽の木)。2026年は丙午(ひのえうま。陽の火の年)です。甲(陽の木)の人から見て、丙(陽の火)は「自分が生む五行で、陰陽が同じ」。この組み合わせを四柱推命では食神と呼び、2026年はこの人にとって、好きなことや楽しみが次の実りにつながりやすい一年と読みます(2-6・2-14)。 陰陽は、こうした関係の名前を決める材料の一つです。自分の生まれた日の文字が陽か陰かは、下の「自分の命式で確かめる」から調べられます。
易では、陽を切れていない線(⚊)、陰を真ん中で切れた線(⚋)で表します。 この二種類を六本積み上げると、六十四通りになります。易の答えになるこの六十四通りの形を六十四卦(ろくじゅうしけ)と呼びます。六十四卦は、すべて陰陽の組み合わせだけでできています。
東洋だけの考え方ではありません。西洋占星術でも十二星座は、 牡羊・双子・獅子・天秤・射手・水瓶が能動(男性星座)、 牡牛・蟹・乙女・蠍・山羊・魚が受動(女性星座)と、二つに分けられています。 呼び方が違うだけで、発想はよく似ています。