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萬象暦 占いシリーズ占い入門 > 十干それぞれの性質

第2部 四柱推命 / 2-5

十干それぞれの性質

自分の日干が分かったら、次はその性質です。ここでは良し悪しではなく、どういう場所で活きるかという書き方をします。弱点に見えるものは、たいてい環境を変えれば長所になります。

暦の神が案内します。ここからが四柱推命の本体です。命式が立ったら、まず自分がどれかを見つけてください。

読むときの注意
日干だけで人柄が決まるわけではありません。同じ甲でも、 生まれた月・周りの干支・五行のバランスで表れ方は大きく変わります。 ここに書いてあるのは「その干が持っている素材の性質」であって、 完成した人物像ではありません。 「当たっていない」と感じたら、それはむしろ普通のことです。

甲(きのえ)── 大木・立木 陽の木

甲の象徴

天に向かってまっすぐ伸びる大木です。曲がることを知りません。目標を決めたら一直線に進み、途中でやり方を変えるのが苦手です。折れることはあっても、曲がって別の道を行くという発想が出にくい。一方で、人から見れば筋が通っていて頼りがいがあります。年長者や責任ある立場に置かれると力を発揮します。

活きるところ目標がはっきりしている場面。長く一つのことを続ける仕事。人の上に立って方針を示す役
気をつけるところ融通が利かないと言われがち。一度決めたことを撤回できず、状況が変わっても押し通してしまう

力を出しやすい環境 腰を据えて取り組める、方針の安定した場所。頻繁に方向転換を求められる環境では消耗します

乙(きのと)── 草花・つる 陰の木

乙の象徴

同じ木でも、こちらは草花やつる草です。障害があれば無理に押し通さず、迂回して伸びます。しなやかで、どんな場所にも根を下ろせる強さがあります。人当たりが柔らかく、対立を避けながら目的を達する器用さがある一方、本心が見えにくいと言われることもあります。

活きるところ人と人のあいだを取り持つ役。変化の多い環境。細やかな気配りが要る仕事
気をつけるところ八方美人に見られやすい。自分の意見を後回しにしすぎて、あとで不満をためこむ

力を出しやすい環境 支えになるもの(柱や壁)がある環境。つる草は絡む相手があってこそ高く伸びます

丙(ひのえ)── 太陽 陽の火

丙の象徴

分け隔てなく照らす太陽です。誰に対しても同じ態度で、裏表がありません。明るく、その場の空気を変える力があります。隠しごとが苦手で、思ったことが顔にも言葉にも出ます。人を惹きつけますが、照らしすぎて相手を疲れさせることもあります。

活きるところ人前に立つ場面。場の空気をつくる役。新しいことを始めるとき
気をつけるところ影の部分に気づきにくい。悪気なく言ったひと言が、相手には強く刺さっていることがある

力を出しやすい環境 見られている環境。太陽は隠れていると力が出ません。人の目のある場所のほうが伸びます

丁(ひのと)── 灯火・ろうそく 陰の火

丁の象徴

手元だけを照らす小さな灯です。丙が広く浅く照らすのに対し、丁は狭く深く照らします。一人ひとりに向き合う力があり、専門性を深めることに向いています。感受性が鋭く、人の機微に気づきます。ただし風には弱く、環境に左右されやすい面があります。

活きるところ専門職。人に寄り添う仕事。細部を詰める役。ものを教える場面
気をつけるところ気分の波が出やすい。環境が荒れると急に力を失う。抱え込んで消耗する

力を出しやすい環境 風の当たらない、落ち着いた場所。灯を守ってくれる人が近くにいると長く燃えます

戊(つちのえ)── 山・堤防 陽の土

戊の象徴

動かない山です。何があってもそこにあり続けます。感情の起伏が外に出にくく、周りからは「どっしりしている」「安心できる」と見られます。相談を持ち込まれる側になりやすい。反面、変化には時間がかかり、一度決めた形を変えることを嫌います。

活きるところ組織の要になる役。信用が必要な仕事。長期の取り組み。人の相談を受ける立場
気をつけるところ腰が重い。動くべきときに動けず、機会を逃すことがある。頑固だと思われやすい

力を出しやすい環境 長く関われる環境。短期で成果を求められると本領が出ません

己(つちのと)── 田畑・庭土 陰の土

己の象徴

耕された土です。山と違って、何を植えるかで姿が変わります。受け入れる力が強く、相手や環境に合わせて自分を変えられます。面倒見がよく、人を育てる場面で力を発揮します。ただし合わせすぎて、自分が何をしたいのか分からなくなることがあります。

活きるところ人を育てる仕事。裏方で全体を支える役。多様な人が集まる場所
気をつけるところ自分の輪郭が薄れやすい。何でも引き受けて、いつのまにか背負いすぎている

力を出しやすい環境 育てる対象がある環境。田畑は何も植えられていないと荒れます

庚(かのえ)── 刀剣・鉱石 陽の金

庚の象徴

断ち切る刃です。白黒をはっきりさせ、決断が早い。筋を通すことを重んじ、曖昧なままにしておくことを嫌います。正義感が強く、間違っていると思えば相手が誰でも言います。そのぶん敵を作ることもありますが、頼られる場面では圧倒的に強い。

活きるところ決断が要る場面。改革や立て直し。不正を正す役。勝負どころ
気をつけるところ言い方がきつくなる。切り捨てが早すぎて、後で惜しくなることがある

力を出しやすい環境 鍛えられる環境。刀は打たれて強くなります。ぬるい場所では錆びます

辛(かのと)── 宝石・砂金 陰の金

辛の象徴

磨かれて光る宝石です。同じ金でも、庚が「切る」なら辛は「見せる」。美意識が高く、細部にこだわります。繊細で、扱われ方に敏感です。雑に扱われると深く傷つき、それを長く覚えています。一方、正しく評価される場所では、他の誰にも出せない輝きを見せます。

活きるところ美しさや精度が問われる仕事。人に見られる場面。評価される環境
気をつけるところ傷つきやすい。批判を人格否定として受け取りやすい。プライドが邪魔をすることがある

力を出しやすい環境 磨いてくれる人がいる環境。宝石は原石のままでは光りません

壬(みずのえ)── 大海・大河 陽の水

壬の象徴

流れて止まらない大水です。器に収まりません。好奇心が広く、一つの場所に留まることを窮屈に感じます。発想が自由で、思いもよらない道を見つけます。大らかで細かいことを気にしない反面、続けることが苦手です。

活きるところ新しいことを開拓する場面。人や情報が動く仕事。自由度の高い環境
気をつけるところ飽きが早い。約束や細部が抜ける。腰を落ち着けるべきときに動いてしまう

力を出しやすい環境 広い環境。壬は堤防(戊)があると力を溜められます。適度な枠がむしろ助けになります

癸(みずのと)── 雨露・霧 陰の水

癸の象徴

静かに浸みる雨です。目立ちませんが、すみずみまで届きます。観察力が鋭く、人が見落とすものに気づきます。直感が働き、理屈より先に答えが分かることがあります。控えめで前に出ませんが、その場にいないと困る人になりやすい。

活きるところ観察や分析が要る仕事。人の相談。裏方で全体を見る役。研究
気をつけるところ気を使いすぎて疲れる。考えすぎて動けなくなる。存在を軽く見られやすい

力を出しやすい環境 静かな環境。癸は騒がしい場所では蒸発します。落ち着いて考えられる時間が要ります

覚え方のこつ

十個を丸暗記しようとすると混ざります。五行を二つずつ、対にして覚えるのが楽です。

五行陽(大きい・外向き)陰(小さい・内向き)
甲 まっすぐ伸びる大木乙 迂回して伸びるつる
丙 広く照らす太陽丁 狭く深く照らす灯
戊 動かない山己 受け入れる田畑
庚 断ち切る刃辛 磨いて光る宝石
壬 流れて止まらない大河癸 静かに浸みる雨

同じ五行の陽と陰は、働く方向が正反対だと考えると覚えやすくなります。 陽は外へ広げ、陰は内へ深める。木でも火でも金でも、この関係は同じです。

流派によるちがい 十干の性質描写は、書物によってかなり幅があります。 とくには「柔軟で面倒見がよい」と書く本と「本心が読めない」と書く本があり、 も「大らか」と「思慮深い」で分かれます。 どれも同じ性質を別の角度から言っているだけなので、 一冊の記述を絶対視しないのが安全です。 この教科書は、複数の古典と現代書に共通して現れる部分だけを採っています。
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