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第2部 四柱推命 / 2-5

十干それぞれの性質

自分の日干(生まれた日の上の文字。あなた自身を表す一文字)が分かったら、次はその性質です。ここでは良し悪しではなく、どういう場所で活きるかという書き方をします。弱点に見えるものは、たいてい環境を変えれば長所になります。

この記事で分かること
  • 甲から癸まで、十の日干それぞれの持ち味と、力を出しやすい場面・つまずきやすい場面
  • 自分の日干の説明を、自分の暮らしにどう当てはめて読むか(例つき)
  • 十個を混ぜずに覚えるこつ

暦の神が案内します。十個を全部読む必要はありません。まず自分の一文字(日干)の項だけを読み、思い当たるところに印をつけてみてください。

読むときのこつ
ここに書いてあるのは、その干が持っている「素材」の性質です。 同じ甲でも、生まれた月・周りの干支・五行のバランスで表れ方が変わります。 当てはまらないところがあったら、そこが次の章から読む「周りの文字」の出番です(2-6)。

甲から癸まで、一つずつ

読み方:まず自分の日干の項だけを読んでください。日干がまだ分からない人は、2-3 命式を立てる ── 日柱と時柱の手順で出すか、ページ下の「人生占い」で確かめられます。 各項は、たとえ(大木・太陽など)→ 性質の説明 →「活きるところ」「気をつけるところ」→「力を出しやすい環境」の順に並んでいます。

たとえば日干が壬(みずのえ)の人なら、壬の項を読みます。たとえは大海・大河。好奇心が広く発想が自由な一方、続けることが苦手です。 「活きるところ」は新しいことを開拓する場面や自由度の高い環境で、「力を出しやすい環境」には、適度な枠がむしろ助けになる、とあります。 ここから、自由に動ける役割を選びながら、締め切りや決まった枠を自分で用意すると力を溜めやすい、と読みます。

2-1で例にした1984年5月20日生まれの人なら、日干は甲。すぐ下の甲の項の「目標を決めたら一直線に進み」と、力を出しやすい環境の「腰を据えて取り組める、方針の安定した場所」が、この人の素材です。

甲(きのえ)── 大木・立木 陽の木

甲の象徴

天に向かってまっすぐ伸びる大木です。曲がることを知りません。目標を決めたら一直線に進み、途中でやり方を変えるのが苦手です。折れることはあっても、曲がって別の道を行くという発想が出にくい。一方で、人から見れば筋が通っていて頼りがいがあります。年長者や責任ある立場に置かれると力を発揮します。

活きるところ目標がはっきりしている場面。長く一つのことを続ける仕事。人の上に立って方針を示す役
気をつけるところ融通が利かないと言われがち。一度決めたことを撤回できず、状況が変わっても押し通してしまう

力を出しやすい環境 腰を据えて取り組める、方針の安定した場所。頻繁に方向転換を求められる環境では消耗します

乙(きのと)── 草花・つる 陰の木

乙の象徴

同じ木でも、こちらは草花やつる草です。障害があれば無理に押し通さず、迂回して伸びます。しなやかで、どんな場所にも根を下ろせる強さがあります。人当たりが柔らかく、対立を避けながら目的を達する器用さがある一方、本心が見えにくいと言われることもあります。

活きるところ人と人のあいだを取り持つ役。変化の多い環境。細やかな気配りが要る仕事
気をつけるところ八方美人に見られやすい。自分の意見を後回しにしすぎて、あとで不満をためこむ

力を出しやすい環境 支えになるもの(柱や壁)がある環境。つる草は絡む相手があってこそ高く伸びます

丙(ひのえ)── 太陽 陽の火

丙の象徴

分け隔てなく照らす太陽です。誰に対しても同じ態度で、裏表がありません。明るく、その場の空気を変える力があります。隠しごとが苦手で、思ったことが顔にも言葉にも出ます。人を惹きつけますが、照らしすぎて相手を疲れさせることもあります。

活きるところ人前に立つ場面。場の空気をつくる役。新しいことを始めるとき
気をつけるところ影の部分に気づきにくい。悪気なく言ったひと言が、相手には強く刺さっていることがある

力を出しやすい環境 見られている環境。太陽は隠れていると力が出ません。人の目のある場所のほうが伸びます

丁(ひのと)── 灯火・ろうそく 陰の火

丁の象徴

手元だけを照らす小さな灯です。丙が広く浅く照らすのに対し、丁は狭く深く照らします。一人ひとりに向き合う力があり、専門性を深めることに向いています。感受性が鋭く、人の機微に気づきます。ただし風には弱く、環境に左右されやすい面があります。

活きるところ専門職。人に寄り添う仕事。細部を詰める役。ものを教える場面
気をつけるところ気分の波が出やすい。環境が荒れると急に力を失う。抱え込んで消耗する

力を出しやすい環境 風の当たらない、落ち着いた場所。灯を守ってくれる人が近くにいると長く燃えます

戊(つちのえ)── 山・堤防 陽の土

戊の象徴

動かない山です。何があってもそこにあり続けます。感情の起伏が外に出にくく、周りからは「どっしりしている」「安心できる」と見られます。相談を持ち込まれる側になりやすい。反面、変化には時間がかかり、一度決めた形を変えることを嫌います。

活きるところ組織の要になる役。信用が必要な仕事。長期の取り組み。人の相談を受ける立場
気をつけるところ腰が重い。動くべきときに動けず、機会を逃すことがある。頑固だと思われやすい

力を出しやすい環境 長く関われる環境。短期で成果を求められると本領が出ません

己(つちのと)── 田畑・庭土 陰の土

己の象徴

耕された土です。山と違って、何を植えるかで姿が変わります。受け入れる力が強く、相手や環境に合わせて自分を変えられます。面倒見がよく、人を育てる場面で力を発揮します。ただし合わせすぎて、自分が何をしたいのか分からなくなることがあります。

活きるところ人を育てる仕事。裏方で全体を支える役。多様な人が集まる場所
気をつけるところ自分の輪郭が薄れやすい。何でも引き受けて、いつのまにか背負いすぎている

力を出しやすい環境 育てる対象がある環境。田畑は何も植えられていないと荒れます

庚(かのえ)── 刀剣・鉱石 陽の金

庚の象徴

断ち切る刃です。白黒をはっきりさせ、決断が早い。筋を通すことを重んじ、曖昧なままにしておくことを嫌います。正義感が強く、間違っていると思えば相手が誰でも言います。そのぶん敵を作ることもありますが、頼られる場面では圧倒的に強い。

活きるところ決断が要る場面。改革や立て直し。不正を正す役。勝負どころ
気をつけるところ言い方がきつくなる。切り捨てが早すぎて、後で惜しくなることがある

力を出しやすい環境 鍛えられる環境。刀は打たれて強くなります。ぬるい場所では錆びます

辛(かのと)── 宝石・砂金 陰の金

辛の象徴

磨かれて光る宝石です。同じ金でも、庚が「切る」なら辛は「見せる」。美意識が高く、細部にこだわります。繊細で、扱われ方に敏感です。雑に扱われると深く傷つき、それを長く覚えています。一方、正しく評価される場所では、他の誰にも出せない輝きを見せます。

活きるところ美しさや精度が問われる仕事。人に見られる場面。評価される環境
気をつけるところ傷つきやすい。批判を人格否定として受け取りやすい。プライドが邪魔をすることがある

力を出しやすい環境 磨いてくれる人がいる環境。宝石は原石のままでは光りません

壬(みずのえ)── 大海・大河 陽の水

壬の象徴

流れて止まらない大水です。器に収まりません。好奇心が広く、一つの場所に留まることを窮屈に感じます。発想が自由で、思いもよらない道を見つけます。大らかで細かいことを気にしない反面、続けることが苦手です。

活きるところ新しいことを開拓する場面。人や情報が動く仕事。自由度の高い環境
気をつけるところ飽きが早い。約束や細部が抜ける。腰を落ち着けるべきときに動いてしまう

力を出しやすい環境 広い環境。壬は堤防(戊)があると力を溜められます。適度な枠がむしろ助けになります

癸(みずのと)── 雨露・霧 陰の水

癸の象徴

静かに浸みる雨です。目立ちませんが、すみずみまで届きます。観察力が鋭く、人が見落とすものに気づきます。直感が働き、理屈より先に答えが分かることがあります。控えめで前に出ませんが、その場にいないと困る人になりやすい。

活きるところ観察や分析が要る仕事。人の相談。裏方で全体を見る役。研究
気をつけるところ気を使いすぎて疲れる。考えすぎて動けなくなる。存在を軽く見られやすい

力を出しやすい環境 静かな環境。癸は騒がしい場所では蒸発します。落ち着いて考えられる時間が要ります

覚え方のこつ

十個を丸暗記しようとすると混ざります。五行を二つずつ、対にして覚えるのが楽です。

五行陽(大きい・外向き)陰(小さい・内向き)
木甲 まっすぐ伸びる大木乙 迂回して伸びるつる
火丙 広く照らす太陽丁 狭く深く照らす灯
土戊 動かない山己 受け入れる田畑
金庚 断ち切る刃辛 磨いて光る宝石
水壬 流れて止まらない大河癸 静かに浸みる雨

同じ五行の陽と陰は、働く方向が正反対だと考えると覚えやすくなります。 陽は外へ広げ、陰は内へ深める。木でも火でも金でも、この関係は同じです。

流派によるちがい 十干の性質描写は、書物によってかなり幅があります。 とくに己は「柔軟で面倒見がよい」と書く本と「本心が読めない」と書く本があり、 壬も「大らか」と「思慮深い」で分かれます。 どれも同じ性質を別の角度から言っているだけなので、 一冊の記述を絶対視しないのが安全です。 この教科書は、たとえ(大木・太陽など)から導ける性質を中心に書いています。
自分の日干の持ち味を見る

萬象暦占いの「人生占い」に生年月日を入れると、「六つの占い」の四柱推命の最初の欄「性格と力の出し方」に、あなたの日干の持ち味が文章で出ます。いちばん下の折りたたみ「命式の表」を開くと、柱ごとの干支・通変星・十二運も見られるので、この章の説明と読み比べてみてください。無料で、登録は要りません。

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