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第6部 数秘術 / 6-1

数秘術とは

生年月日も名前も、すべて一桁の数に還元します。覚えることは一から九までの意味だけ。この教科書のなかで、いちばん早く使えるようになる占いです。

第6部 数秘術

数の神が案内します。数秘術は、覚えることがいちばん少ない占いです。一から九までの意味さえ掴めば、その日から使えます。

「万物は数である」

土台になっているのは、紀元前六世紀のギリシャの数学者 ピュタゴラスの思想です。

ピュタゴラス学派は、音楽の和音が単純な整数の比で説明できることを発見しました。 弦の長さが1対2なら一オクターブ、2対3なら五度。 耳に心地よい音が、数の関係で決まっている。

ここから彼らは「世界のすべては数で説明できる」と考えました。 数には性質があり、その性質が世界の形を決めている ── という発想です。

ただし、占いになったのは二十世紀です

ここは正直に書いておきます。ピュタゴラスは占いをしていません。 彼がやっていたのは数学と哲学であり、 生年月日から運命を読む技法ではありませんでした。

いまの数秘術の形 ── 生年月日を足して一桁にし、その数で人を読む ── を作ったのは、 二十世紀初頭のアメリカの人々です。 ミセス・L・ダウ・バリエットらが、1900年代に体系化しました。

つまり百年ほどの歴史しかありません。 「古代ギリシャから伝わる」という説明は、正確ではありません。

新しいから劣る、ということはありません
数秘術が広く使われているのは、単純で分かりやすいからです。 計算に紙も表も要らず、一分で答えが出ます。
ただ、由来を正しく知っておくことは、 この占いを誠実に使うために必要です。

他の占いとの違い

覚える量一から九まで、九つの数の意味だけ。四柱推命の十干十二支通変星に比べれば、ごくわずか
読みの細かさそのぶん粗い。九種類(+マスターナンバー)に人を分けるので、当然です

数秘術の使いどころは、一言で方向を掴むことです。 細かく読みたいなら他の占術のほうが向いています。 ただしとっかかりとして、これほど手軽なものはありません

他の占いと何が違うか

数秘術の特徴は、暦も天体も要らないことです。 生年月日の数字だけで完結します。ここが他の占術と決定的に違います。

占術必要なもの計算の重さ
数秘術生年月日の数字だけ紙と鉛筆で足りる
四柱推命暦(節入りの時刻)万年暦が要る
西洋占星術天体の位置・出生地の緯度経度天文暦か計算機が要る
九星気学暦(立春)早見表で足りる
宿曜月の位置(旧暦)暦が要る

だから数秘術は世界中に広まりました。 暦は文化圏ごとに違いますが、数字はどこでも同じです。 国が変わっても計算式が変わりません。

ただし「西暦であること」には根拠がない
数秘術は西暦の数字を使います。しかし西暦はキリスト教圏の紀年法であって、 宇宙の法則ではありません。和暦で計算すれば別の数が出ますし、 実際そうしない理由は「みんな西暦を使っているから」以上のものがありません。
この弱点は、数秘術を学ぶうえで知っておいてよいことです。 それでも意味があるとすれば、数そのものが持つ性質のほうです。 一は始まり、二は対、三は展開──この見方は西暦より古く、どの文化にもあります。

ピタゴラスと現代数秘術

「万物は数である」と言ったピタゴラス(紀元前6世紀)が源流とされますが、 いま行われている数秘術は、そこから直接つながっているわけではありません

つまり百年ほどの新しい占いです。姓名判断(1930年代)と近い年代で、 どちらも「近代に作られた占術」という点が共通しています。 古いから正しい、新しいから怪しい、という話ではありませんが、 由来は正確に知っておいてください。

この教科書で扱う数

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