萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > 七曜陵逼
第5部 宿曜占星術 / 5-6
宿曜には、相性のほかに日の吉凶を見る技法があります。七曜陵逼(しちようりょうひつ)は、七つの星(曜日のもとになった日・月・火・水・木・金・土)と宿の巡り合わせから、ふだんの吉凶が乱れる時期を拾う技法です。いまの宿曜の本やアプリでは「凌犯(りょうはん)期間」の名前でよく知られています。判定のしかたは資料によって大きく違うので、このページでは考え方と背景を紹介します。
月の神が案内します。占いの本で「凌犯期間」という言葉を見かけたことがあれば、その正体がここで分かります。後半では、毎日使っている曜日と宿曜のつながりをたどります。
日・月・火・水・木・金・土。いまの曜日です。 これはもともと七つの天体(太陽・月と、火星・水星・木星・金星・土星)を日に割り当てたもので、 日本には宿曜経とともに伝わったとされます。
日本で一週間の制度が公式に使われるのは明治以降ですが、 暦の上では平安時代から七曜が記されていました。 藤原道長の日記『御堂関白記』(みどうかんぱくき)は、日ごとの吉凶を書き込んだ暦(具注暦・ぐちゅうれき)の余白に書かれていて、その暦に七曜の記載があります。
陵(りょう)は「しのぐ」、逼(ひつ)は「せまる」。 七つの星が宿に迫って、本来の力を乱すという意味です。
いまの宿曜の本では、七曜陵逼が起きる数日から数週間ほどの時期を「凌犯期間」と呼び、 その間は日々の宿の吉凶が逆転する(ふだんの良い日が注意の日になる)と説明するものが多くあります。 誰か一人ではなく、すべての宿の人に同時に来る時期とされ、大きな決断や新しい始まりは避けるとされます。
たとえば2026年10月1日は木曜日で、その日の宿は井宿(旧暦八月二十一日)です。 このように、毎日には曜日と宿が一つずつ巡ってきます。七曜陵逼は、この二つの巡り合わせを見る技法です。
七曜陵逼の具体的な判定のしかたは、資料によって食い違います。
古典の記述そのものが簡略で、後の時代の解釈で補われている部分が大きいためです。
七曜陵逼の土台になった「七曜」は、実は毎日の暮らしの中にあります。
月曜が月、火曜が火星、水曜が水星、木曜が木星、金曜が金星、土曜が土星、日曜が太陽。 七つの天体をそのまま並べたものです。
英語でも Sunday(太陽)、Monday(月)、Saturday(土星)は同じです。 火・水・木・金は北欧神話の神に置き換わっていますが、 Tuesday(テュール=軍神=火星)のように、対応は保たれています。
七日で一区切りにする習慣そのものには、ユダヤ教の安息日など別の流れもあります。 そこに一日ずつ星の名前を付けたのが占星術で、その呼び名が東と西の両方に広がりました。
空海が持ち帰ったとされる『宿曜経』は、占いの書であると同時に 暦の書でもありました。 七曜、二十七宿、そして日の吉凶。
平安時代の暦に七曜が書き込まれたのは、宿曜経が伝えた七曜が、日の吉凶を見る目印として使われたからです。 明治に一週間の制度を取り入れたとき、曜日の呼び名にはこの七曜の名前が使われました。 私たちが毎日「月曜・火曜」と言うたびに、宿曜と同じ道を通ってきた言葉を使っているわけです。
暦の一覧では、年と月を指定すると、その月の毎日の曜日・旧暦・宿が並びます。七曜陵逼の判定は出しませんが、曜日と宿がどう組み合わさって巡っていくかを、自分の目で確かめられます。宿は旧暦の月日から求めています(日本の宿曜道の方式)。無料で、登録は要りません。
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