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第12部 世界の占い事典 / 12-3
インドのヒンドゥー教徒の家庭では、赤ちゃんの名前の最初の音を、生まれた時に月がいた「宿」で選ぶ習慣があります。結婚の前に、二人の生まれの星を照らし合わせて相性を点数にすることも。日本の宿曜の元になった「月の宿」は、インドでは今も暮らしの中で使われています。インドの占星術が何を使い、どう占うのかと、雑誌の星占いとの違いを見ていきます。
「光」を意味する言葉から来た、インドの天文と占星の学問です。もとは儀式の日取りを決めるための暦の知識で、ヴェーダ(古代インドの聖典)を学ぶための六つの補助学の一つに数えられました。
生まれた瞬間の空で一人の人生を読む出生占星術は、のちにギリシャ語の占星術書がインドで訳され(『ヤヴァナジャータカ』。「ギリシャ人の出生占い」の意)、もとからあった月の宿の知識と合わさって発達しました。十二のサイン(牡羊座などの区分)を使う点は西洋と同じですが、区切りの基準が違います(下の「西洋占星術との、決定的な違い」)。
いまも使われている月は約27.3日で星空をひと回りするので、一日にほぼ一つずつ宿を進みます。この通り道を二十七に分けたのがナクシャトラ(月の宿)です。生まれた時に月がいた宿は「ジャンマ・ナクシャトラ(生まれの宿)」と呼ばれ、名前の最初の音選びや、下のダシャー、結婚の相性に使われます。
日本の宿曜は、この「月の通り道を二十七に分けるインドの考え方」から来た体系で、中国を経て伝わりました(5-1)。日本の宿曜では旧暦の月日から宿を出すので、同じ人でもインド式とは違う宿になることがあります。たとえば1990年3月15日生まれの人は、日本の宿曜では旧暦二月十九日にあたり、宿は心宿(しんしゅく)です(出し方は5-3)。
このシリーズで占えます人生を期間で区切り、いまはどの天体が主役の時期かを出す仕組みです。いちばん広く使われるヴィムショッタリ・ダシャーでは、太陽6年・月10年・火星7年・金星20年……と九つの天体に長さが決まっていて、合計百二十年でひと回りします。
どの天体の時期から人生が始まるかは、生まれた時に月がいた宿で決まります。ここにも月の宿が使われているわけです。十年ごとに区切る四柱推命の大運(2-14)とよく似た発想ですが、期間の長さが天体ごとに違うところが大きな違いです。
いまも使われている「インドの風水」とも呼ばれる、建物の向きや部屋の配置の決まりです。敷地を方位ごとの区画に分け、それぞれに神々を割り当てて考えます。
たとえば台所は、火の神アグニの方角とされる南東に置くのがよい、とされます。中国の風水が「気の流れ」を見るのに対し、ヴァーストゥは方位ごとの神の役割から配置を決めるのが特徴です。家を建てるときに今も参考にする人がいます。
いまも使われている体の特徴から人を読む「サムドリカ・シャーストラ」のうち、手を扱う部分です。手の形、線、指の長さなどを読みます。インドには古くから手を読む伝統があり、ヨーロッパの手相術(12-5)と似た見方もあります。
いまも使われている生年月日の数字を足して一つの数にまとめ、その数を天体に結びつけて読みます。1は太陽、2は月、3は木星……というように、1から9に九つの天体が割り当てられます。九つには、月の軌道が太陽の通り道と交わる二つの点(ラーフとケートゥ)も含まれます。宿曜でいう羅睺(らごう)・計都(けいと)と同じものです(5-1)。
数を足してまとめるところは、数秘術の運命数(6-2)とよく似ています。萬象暦の数秘術は西洋式で、出た数そのものの性質(1は始まり、2は調和……)で読みます。
いまも使われている西洋とインドの占星術は、どちらも十二のサインを使います。違うのは、サインをどこから数え始めるかです。 雑誌やテレビでおなじみの「3月21日ごろ〜4月19日ごろ生まれは牡羊座」という区切りは、下の西洋(トロピカル)のほうです。
地球の自転軸はコマのようにゆっくり首を振っていて(歳差運動)、 春分の位置は七十二年ほどで一度ずつ、星々の間を西へずれていきます。 そのため今では、二つの方式の起点に約24度の差があります(インドでよく使われるラヒリ方式の場合)。
約24度は、太陽の動きにして約24日ぶん。 西洋で牡羊座の人の多くが、インド式では一つ前の魚座になります。インド式で牡羊座が始まるのは、4月14日ごろです。 季節を基準にするか、星を基準にするかの違いで、萬象暦の西洋占星術は西洋(トロピカル)の方式です。
インド由来の二十七宿は、日本では宿曜として使われてきました。「占術ごとに占う」の宿曜では、生まれた日を旧暦に直して自分の宿を出し、性格のタイプと、相手ごとの付き合い方の型、今日の巡りを読みます。無料で、登録は要りません。
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