萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > ヨーロッパ
第12部 世界の占い事典 / 12-5
タロットはもともと遊戯用のカードでした。手相はインドから来ました。占星術はメソポタミアから来ました。ヨーロッパの占いは、外から来たものを理論化するのが得意です。
メソポタミアの観測記録を、ギリシャ人が体系として組み直しました。十二星座・十二ハウス・アスペクトという枠組みは、このとき整えられたものです。
二世紀のプトレマイオス『テトラビブロス』が古典で、以後千五百年にわたり、ヨーロッパの占星術の教科書であり続けました。当時の占星術は天文学と同じもので、大学で教えられる学問でした。
このシリーズで占えます最初は遊戯用のカードでした。ミラノやフェラーラの貴族が「タロッキ」というトランプ遊びに使っていたものです。
占いに使われはじめるのは十八世紀末のフランスから。エッティラという人物が占い用の解釈を体系化しました。三百年ほどの歴史しかありません。「古代エジプト起源」という説が広まっていますが、根拠はありません。
このシリーズで占えますゲルマンの文字を刻んだ石片を引いて読みます。文字そのものが二世紀ごろから使われており、単なる表音文字ではなく、それぞれに意味がありました。
フサルク(アルファベットにあたる並び)は二十四文字。タキトゥスの『ゲルマニア』(一世紀)に、木片に印を刻んで投げる占いの記述があります。
歴史上のもの手のひらの線と丘(膨らみ)から読みます。インドが起源とされ、ロマ(ジプシー)の西方への移動とともにヨーロッパへ伝わりました。
十九世紀にダーパンティニーやキロといった人物が理論化し、現在の形になりました。生命線は寿命を表さないというのが、現代の一般的な立場です。
歴史上のもの鳥がどちらから飛来し、何羽で、どう鳴いたかを読みます。ローマの国家儀礼で、戦や公職就任の前に必ず行われました。
占い官(アウグル)は正式な公職で、その判断で元老院の決議が延期されることもありました。英語の auspicious(幸先のよい)はこの語(auspicium)が語源です。
歴史上のもの生贄の動物の内臓、とくに肝臓を読みます。メソポタミアの肝臓占いがエトルリアへ伝わり、ローマが受け継ぎました。
ピアチェンツァの肝臓と呼ばれる青銅の模型が出土しており、表面が四十の区画に分けられ、それぞれに神の名が刻まれています。つまり肝臓が空の地図と対応しているという考え方でした。
歴史上のもの溶かした蝋(かつては鉛)を冷たい水に落とし、固まった形を光にかざして影で読みます。
ドイツ語圏では大晦日の家庭行事として続いています。鉛は毒性のため2018年にEUで禁止され、いまは錫や蝋が使われます。
いまも使われている「万物は数である」というピュタゴラスの思想が土台です。もとは占いではなく、哲学と数学でした。
占いとして体系化されたのは二十世紀初頭のアメリカで、ミセス・L・ダウ・バリエットらが広めました。意外なほど新しい占いです。
このシリーズで占えます水晶球、鏡、水面、インクの表面。反射するものを凝視して像を見る技法の総称です。
エリザベス一世に仕えた数学者ジョン・ディーが黒曜石の鏡を用いたことで知られます。「占い師といえば水晶球」というイメージは、十九世紀の見世物興行が作り上げたものです。
歴史上のもの並べると分かることがあります。ヨーロッパ生まれの占いは、意外と少ないのです。
ヨーロッパが得意だったのは、外から来たものを理屈で組み直すことでした。 十二ハウスもアスペクトも、タロットの体系的な意味づけも、 そうやって整えられたものです。
そして十九世紀、それらが一度に日本へ入ってきます。 いま日本で「西洋占い」と呼ばれているものの多くは、 この時期に整えられた比較的新しい体系です。