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第12部 世界の占い事典 / 12-6
アフリカの占いは、多くがいまも現役です。しかも共同体の意思決定に組み込まれています。個人の楽しみではなく、社会の制度として働いている点が、他の地域と大きく違います。
アフリカでもっとも体系化された占術です。二百五十六の「オドゥ」という章があり、それぞれに物語・詩・処方が結びついています。
占い師(ババラウォ)は、十六個の椰子の実か鎖を使ってどのオドゥかを決め、該当する詩を暗誦します。一人前になるには十年以上かかり、暗記する詩は数千におよびます。
2005年、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
いまも使われている子安貝を十六枚投げ、開いた面の数で読みます。イファの簡易版という位置づけで、こちらは女性も行えます。
結果は同じオドゥの体系に対応します。イファほど習得に時間がかからないため、日常の相談はこちらで行われることが多いです。
いまも使われている動物の骨、貝、木片、石を数個から数十個、布の上に投げます。それぞれの品に意味があり、位置関係と重なり方で読みます。
ジンバブエ、南アフリカ、ボツワナなどで、伝統医(サンゴマ)が病気や揉めごとの原因を探るのに用います。医療と占いが分かれていないのが特徴です。
いまも使われている砂に無作為に点を打ち、その偶奇から十六の図形を導きます。アラビアのジオマンシーと同じ仕組みで、どちらが先かは決着していません。
マダガスカルのシキディ、西アフリカの各地に、それぞれ独自の形で残っています。
いまも使われている地面の穴に住む大型の蜘蛛を使います。穴の周りに記号を書いた木の葉のカードを並べておき、蜘蛛が出てきて動かしたカードの配置を読みます。
術者が結果に手を加えられないため、公平さが特に信頼されている占いです。揉めごとの裁定に使われます。
いまも使われている他の地域では、占いは近代化とともに' 「趣味」や「娯楽」の位置へ移りました。アフリカでは違います。
理由の一つは、占いが医療と司法を兼ねていることです。 病気の原因を探るのも、盗みの犯人を突き止めるのも、 村の重要事を決めるのも、同じ占い師が担ってきました。 制度として組み込まれているものは、簡単には消えません。
もう一つは、占いが文字の代わりに知識を運んでいることです。 イファの二百五十六のオドゥには、それぞれ物語・薬草の処方・道徳の教えが 結びついています。占い師が詩を暗誦するとき、 共同体の知識全体が一緒に受け渡されています。