萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > アフリカ
第12部 世界の占い事典 / 12-6
ヤシの実を使って二百五十六通りの形を出し、その形に結びついた詩を唱える西アフリカのイファ。骨や貝を投げて並びを読む南部アフリカの占い。地面の穴に住む蜘蛛に答えを出させるカメルーンの占い。アフリカには、地域ごとに道具も担い手もまったく違う占いが、今も受け継がれています。何を使い、どう読むのかを見ていきます。
ヨルバ(ナイジェリアやベナンなどに暮らす人々)に伝わる占いです。祭司(ババラウォ)が、十六個のヤシの実や、半分に割った種を八つつないだ鎖(オペレ)を使い、粉をまいた木の盆に印を描きながら、二百五十六の「オドゥ」(占いで出る形)のどれが出たかを決めます。
オドゥの一つ一つには、たくさんの詩や物語が結びついています。ババラウォは長い修行でそれを覚え、出たオドゥの詩を唱えて、相談した人の悩みに当てはめます。番号の札に漢詩が添えられたおみくじ(10-4)と、少し似た仕組みです。
イファの占い体系は、2008年にユネスコの無形文化遺産の代表一覧に記載されました(無形文化遺産は、芸能や祭り、技術など、形のない文化を守るための国際的な一覧です)。
いまも使われている十六個の子安貝(こやすがい。タカラガイの仲間の巻貝)を投げ、口が上を向いた貝がいくつあるか(0〜16)で読みます。名前も、ヨルバの言葉で「十六」を意味します。
イファを担うババラウォとは別に、ヨルバの神々(オリシャ)に仕える人々が広く行ってきました。ヨルバの伝統は奴隷貿易の時代にアメリカ大陸へも渡り、ブラジルやキューバでは、今も貝を投げる占いが受け継がれています(12-7)。
いまも使われている動物の骨、貝、木片、石などを布や地面に投げ、どれが表を向いたか、どれとどれが近くに落ちたかを読みます。ジンバブエのショナの人々が使う四枚の板(ハカタ)では、表と裏の組み合わせで十六通りの形ができます。
南アフリカのサンゴマのように、伝統的な治療者が、病気や家族のもめごとの相談に応じるときに骨を投げる地域もあります。
いまも使われている砂に点を打ち、奇数か偶数かで十六の図形を作ります。中東のジオマンシー(12-4)と同じ仕組みです。
同じ十六の図形を使う占いが、北アフリカからサハラ砂漠の南の地域、さらにインド洋のマダガスカルまで、各地に形を変えて残っています。マダガスカルのシキディでは、砂の代わりに木の種を並べて図形を作ります。
いまも使われている地面の穴に住む蜘蛛(ときにはカニ)を使います。穴の上に割れた壺をかぶせ、まわりに、印を刻んだ木の葉のカードや、「はい」「いいえ」を表す棒と石を置いて問いかけます。しばらくして蜘蛛が出入りしたあとのカードの並びを読みます。
答えを出すのが蜘蛛なので、人の思惑が入りにくいとされ、もめごとや重い疑いの判断にも使われてきました。
いまも使われているここで紹介した占いは、どれも道具を投げたり点を打ったりして「形」を出し、その形に結びついた言葉や意味を読みます。違うのは、誰が、何のために使うかです。イファは祭司が人生の相談に、骨投げは治療者が病の相談に、蜘蛛占いはもめごとの判断に。使われる場面は、それぞれの土地で大きく違います。
とくにイファでは、オドゥに結びついた詩や物語を、口伝えで受け継いできました。 そこには神話や歴史、考え方、薬草の知識まで含まれているとされ、 占いの言葉そのものが、共同体の知恵の蓄えになっています。
イファと似た仕組みをもつ易は、萬象暦で試せます。三枚の銭を六度投げて、一回ごとに陰か陽かの線を一本決め(たとえば表・裏・裏なら陽の線)、六本の線でできた形から、いまの状況とこれからの変化を読みます。銭の表裏は画面の中で決まります。無料で、登録は要りません。
易で変化を見る をひらく