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第12部 世界の占い事典 / 12-7
マヤとアステカは、暦を極めた文明でした。しかもその暦は、農業のためではなく占いのために作られています。
二十の日の名前と一から十三までの数を組み合わせた、二百六十日で一巡する暦です。東洋の六十干支とまったく同じ仕組みで、組み合わせの数だけが違います。
季節とも月の満ち欠けとも一致しないため、農業には使えません。純粋に占いと儀礼のための暦です。生まれた日の組み合わせが、その人の性質と運命を決めると考えられました。
グアテマラ高地のマヤ系の人々のあいだで、いまも日を数え続けている暦の守り手がいます。
いまも使われているマヤのツォルキンとほぼ同じ、二百六十日の暦です。二十の日符号と十三の数を組み合わせます。
アステカでは、子どもが生まれるとまず暦の専門家が呼ばれ、その日の組み合わせから運命が読まれました。悪い日に生まれた場合、命名の儀式を良い日まで延期することで運命を変えられると考えられていました。
歴史上のもの石を円形に並べ、四方位に意味を与えたものです。東=始まり、南=成長、西=内省、北=知恵という対応が代表的ですが、部族によって異なります。
占いというより儀礼と瞑想の枠組みですが、生まれた季節から自分の位置を知るという使い方もされます。現代の「ネイティブアメリカン占い」の多くは、二十世紀に外部の人間が作ったもので、伝統とは別物です。
歴史上のものトルコから移民とともに南米へ渡ったコーヒー占いが、各地で独自に変化したものです。
ブラジルではアフリカ系の宗教(カンドンブレ)と結びつき、貝占いと並んで行われています。三つの大陸の占いが、南米で混ざりあっています。
いまも使われているマヤとアステカの二百六十日暦は、何のために二百六十日なのかが はっきりしていません。有力な説はいくつかあります。
どれが正しいにせよ、確かなのは実用のために作られた暦ではないことです。 農業用には別に三百六十五日の暦(ハアブ)があり、二つを併用していました。
そして二つの暦が同時に元の組み合わせに戻るのが五十二年。 アステカではこの五十二年ごとに新しい火の儀式を行い、 すべての火を消して新たに点け直しました。 世界がそこで終わるかもしれないと考えられていたからです。