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第9部 姓名判断 / 9-6

音と響きから見る

名前は呼ばれるものです。画数は目で見るときにしか関係ありませんが、音は毎日、何十回も使われます。こちらのほうが影響が大きい、という考え方があります。

数の神が案内します。画数の数え方が定まっていない ── これが姓名判断のいちばんの弱点であり、正直に扱うべきところです。

画数より、音のほうが確かです

これまで見てきたとおり、画数の数え方は流派で割れます。 ところが音は割れません。「たろう」は誰が読んでも「たろう」です。

そして実際に使われる回数が違います。 名前を書くのは一日に何回でしょうか。 呼ばれるのは、その何十倍もあります。

呼びやすさ

音から見るとき、まず確かめるのは呼びやすいかどうかです。

略される名前は、親しまれる名前でもあります
長い名前は必ず略されますが、それは呼びやすい形に整えられているということです。 略されること自体は悪くありません。
むしろ略しようがない名前のほうが、距離が縮まりにくいことがあります。

母音の並び

日本語の音は、ほぼすべてが子音+母音でできています。 だから名前の印象は、母音の並びでかなり決まります。

母音口の開き与えやすい印象
あ(a)大きく開く明るい、開放的、はっきりしている
い(i)横に引く鋭い、細やか、緊張感がある
う(u)前に突き出す内向き、こもる、落ち着いた
え(e)中間整った、理知的、少し硬い
お(o)丸く開く重み、安定、包み込む

「たろう(a-o-u)」は開いて丸まって閉じる。 「けいこ(e-i-o)」は整って締まって丸まる。 並びが与える印象は、実際にあります。

ただしこれは占いというより音声学の話です。 吉凶ではなく、どう聞こえやすいかとして扱ってください。

五十音の五行配当

音を五行に割り当てる考え方もあります。

五行由来
か行・が行喉の奥で作る音(牙音)
た行・だ行・な行・ら行舌先で作る音(舌音)
あ行・や行・わ行喉を開いて出す音(喉音)
さ行・ざ行歯の間で作る音(歯音)
は行・ば行・ぱ行・ま行唇で作る音(唇音)

これは中国の音韻学の五音(牙・舌・喉・歯・唇)を五行に当てたもので、 発音するときに口のどこを使うかという分類です。 根拠がまったくないわけではありません。

姓の音と名の音の五行が相生なら流れがよく、 相剋なら締まる、といった読み方をします。

流派によるちがい 五十音の五行配当は複数の説があります。 上に挙げたのは音韻学に基づくものですが、 五十音図の行の順に木火土金水を当てるという、 根拠のはっきりしない配当を使う流派もあります。
採るなら、音韻学に基づくほうを勧めます。理由が説明できるからです。

第9部は、これで終わりです

姓名判断は、この教科書で扱った占術のなかで いちばん基準が定まっていないものでした。

字体で割れ、部首で割れ、数字の漢字で割れ、吉凶の割り当てでも割れる。 同じ名前で三通りの答えが出ます。

それでも扱ったのは、日本で非常に広く使われているからです。 子どもの名づけで悩む人は多く、そこにつけ込む商売もあります。

仕組みを知っておけば、だまされません。 「あなたの名前は凶数です」と言われたとき、 「どの流派の数え方ですか」と訊けるようになる ── それがこの第9部の目的でした。

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