萬象暦 占いシリーズ > 占い入門 > 命式を読む ── 実例
第2部 四柱推命 / 2-15
ここまでの手順を、一枚の命式で最初から最後まで通してやってみます。架空の例ですが、計算はすべて実際のものです。
暦の神が案内します。ここまで来れば、命式は読めます。あとは実際に何枚も読んで、手に馴染ませるだけです。
5月20日は立春を過ぎているので、1984年でそのまま計算します。 1984 − 4 = 1980。1980 ÷ 10 の余りは0で甲、1980 ÷ 12 の余りは0で子。 年柱は甲子。
5月20日は立夏(5月5日ごろ)を過ぎ、芒種(6月6日ごろ)の前なので巳月。 年干が甲なので五虎遁の一行目、寅月=丙寅から数えて、卯=丁卯、辰=戊辰、巳=己巳。 月柱は己巳。
暦を引くと、1984年5月20日は甲寅。
10時30分は巳の刻(9〜11時)。 日干が甲なので五鼠遁の一行目、子=甲子から数えて、丑=乙丑、寅=丙寅、卯=丁卯、辰=戊辰、巳=己巳。 時柱は己巳。
日干は甲(陽の木)。まっすぐ伸びる大木です。 筋を通し、一度決めたら曲げない性質を持っています。
| 位置 | 干支 | 五行の関係 | 通変星 |
|---|---|---|---|
| 年干 | 甲 | 同じ木・同じ陽 | 比肩 |
| 月干 | 己 | 木が土を剋す・陰陽違う | 正財 |
| 時干 | 己 | 木が土を剋す・陰陽違う | 正財 |
| 年支の蔵干 | 子 → 癸 | 水が木を生む・陰陽違う | 印綬 |
| 月支の蔵干 | 巳 → 丙 | 木が火を生む・同じ陽 | 食神 |
| 日支の蔵干 | 寅 → 甲 | 同じ木・同じ陽 | 比肩 |
| 時支の蔵干 | 巳 → 丙 | 木が火を生む・同じ陽 | 食神 |
月支の蔵干は、立夏から16日目なので丙を採りました (巳は 戊1〜7日/庚8〜14日/丙15日〜)。
月令を得ておらず、助けより減らすもののほうが多い。 ただし日支に建禄の強い根があるので、極端に弱くはありません。 やや身弱と判定します。
調候の面から見ても、初夏生まれで火が二つあるので、 年支の子(水)があるのは大きな助けです。抑扶と調候で用神が一致しました。
ここまでの材料を、一つの話にまとめます。
正財が天干に二つ並んでいます。手堅く積み上げるものが、この人の看板です。 地に足のついた実務、数字、信用で立つ形です。 そこに食神が二つあり、つくること・表現することが自然に出てきます。 正財+食神は、古典で「食神生財」と呼ばれる良い組み合わせで、 自分の手でつくったものが、そのまま収入になる形です。
ただし日干はやや弱い。荷物のほうが持ち主より少し重い状態です。 一人で全部背負おうとすると潰れます。年支の印綬(子)が助けなので、 学ぶこと、支えてくれる人、休む時間が、この人には具体的に効きます。
日支は建禄。近い人との関係は自立的で、 もたれ合うよりお互い独立している形が合います。
年柱の支が子で、日柱が甲寅旬なので空亡は子・丑。 つまり年柱が空亡にあたります。生家や家業との縁は薄めで、 外へ出て自分で道をつくる形です。ただし年支の子は用神の水でもあるので、 縁は薄いが、助けにはなっているという複雑な読みになります。
年干が甲(陽)で男性なので陽男 → 順行。 次の節入り(芒種)まで17日、17 ÷ 3 = 5余り2 で立運は5歳8か月。
| 期間 | 干支 | 巡る五行 | 読み |
|---|---|---|---|
| 5歳〜15歳 | 庚午 | 金・火 | 忌神。力を出しにくい |
| 15歳〜25歳 | 辛未 | 金・土 | 忌神。まだ助けが薄い |
| 25歳〜35歳 | 壬申 | 水・金 | 天干に用神の水。ここから流れが変わる |
| 35歳〜45歳 | 癸酉 | 水・金 | 引き続き水。力を発揮しやすい十年 |
| 45歳〜55歳 | 甲戌 | 木・土 | 天干に比肩。自力で動ける |
| 55歳〜65歳 | 乙亥 | 木・水 | 木と水が揃う。最も整う十年 |
若いうちは力が出にくく、二十代半ばから伸びる形です。 そして晩年に向かってさらに整っていきます。 「遅咲き」と表現される命式です。
ここまでの読みを、人に伝えるとしたらこうなります。 断定せず、逃げ道を残すことを思い出してください。
「手を動かしてつくったものが、そのまま形になるタイプです。 こつこつ積み上げる力があって、信用で立つ人です。
ただ、ご自身の力に対して、抱える荷物のほうが少し重い作りをしています。 一人で全部やろうとすると消耗します。学ぶ時間と、支えてくれる人を意識して確保してください。 それが具体的に効くタイプです。
運の巡りとしては、若い時期は力が出にくく、 二十代半ばから流れが変わります。晩年に向かって整っていく形なので、 早く結果が出ないことを気に病まないほうがいいでしょう。」
「不幸」「最悪」「必ず」といった言葉が一つも入っていないことに注意してください。 傾向を述べ、対処を渡す。これが四柱推命の使い方です。
ここまでの手順を、何枚か自分で通してみてください。 家族や友人の命式を三枚も立てれば、手が覚えます。
そのうえで第11部「重ねて読む」に進むと、 四柱推命の答えと、他の占術の答えが食い違ったときの扱い方が分かります。
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