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萬象暦 占いシリーズ占い入門 > ロット

第3部 西洋占星術 / 3-14

ロット(アラビックパーツ)

空にあるものではありません。三つの点から計算で出す、もう一つの点です。二千年前から使われていて、いま伝統派の復興とともに戻ってきています。

星の神が案内します。天体でもハウスでもない、三つめの読みどころです。式は足し算と引き算だけです。

いちばん有名なのは「幸運の部」

ロットの中で、いまも広く使われているのがこれです。式はこうなっています。

幸運の部(パート・オブ・フォーチュン)
昼生まれ アセンダント + 月 − 太陽
夜生まれ アセンダント + 太陽 − 月
すべて黄経(0〜360度)で計算し、はみ出したら360を足し引きします

たとえばアセンダントが乙女座28度(178度)、月が牡牛座16度(46度)、 太陽が双子座24度(84度)の昼生まれなら、178+46−84=140度。 獅子座20度が幸運の部です。

昼と夜で式が入れ替わります

ここがロットの特徴で、初めての人がいちばん引っかかるところです。

判定幸運の部
昼生まれ太陽が地平線より(7〜12ハウス)ASC + 月 − 太陽
夜生まれ太陽が地平線より(1〜6ハウス)ASC + 太陽 − 月

太陽と月を入れ替えるだけです。昼は太陽が主役なので月を足し、夜は月が主役なので太陽を足す、 という考え方から来ています。

入れ替えない流派もあります 近代の占星術では、昼夜を区別せず「ASC + 月 − 太陽」で統一することがあります。 ヘレニズム期の原典は入れ替える側で、伝統派の復興とともに、そちらが主流に戻りつつあります。 この教科書は入れ替える立場です。

七つのロット

紀元四世紀のパウルス・アレクサンドリヌスが伝えた七つが、いまも基本の組です。

ロット読むもの昼の式
幸運体と運の流れ。どこで恵まれるかASC + 月 − 太陽
精神意志と行動。何を目指すかASC + 太陽 − 月
エロス欲望。何に惹かれるかASC + 精神 − 金星
必然逃れられないもの。制約ASC + 幸運 − 水星
勇気どこで危険を冒すかASC + 幸運 − 火星
勝利何で勝つか。希望ASC + 木星 − 精神
ネメシス報い。避けられない試練ASC + 幸運 − 土星

幸運と精神を先に出してください。残りの五つは、その二つを式の中で使います。 夜生まれのときは、どの式も引く側と足す側が入れ替わります。

検算のしかた

手で計算すると、どこかで符号を間違えます。確かめる方法があります。

幸運 + 精神 = アセンダント × 2
この式が必ず成り立ちます。昼生まれでも夜生まれでも同じです。
昼:(ASC+月−太陽) + (ASC+太陽−月) = 2ASC  夜:足す順が入れ替わるだけで同じ
合わなければ、どこかで足し引きを間違えています。

言いかえると、幸運の部と精神の部は、アセンダントを挟んで鏡の位置にあります。 片方が分かれば、もう片方は測らなくても出ます。

どう読むか

ロットはサインとハウスの両方で読みます。

幸運の部が獅子座にあるなら「見せることで恵まれる」、 それが十ハウスにあるなら「仕事の場でそうなる」。天体を読むときと同じ手順です。

ロットに天体が重なっていれば、その天体の性質が強く出ます。 幸運の部に土星が乗っていれば、恵まれ方が「時間をかけて積む」形になります。

時刻が分からないと出せません 式にアセンダントが入っているので、出生時刻が必要です。 アセンダントは四分で一度動くので、時刻が一時間ずれるとロットも十五度ずれます。 時刻不明の人には、この技法は使えません。

なぜ「アラビックパーツ」と呼ばれるのか

もとはギリシャで生まれた技法で、原語ではクレーロス(籤・割り当て)と言います。 ヨーロッパへはアラビア語の文献を経由して伝わったため、 近代では「アラビアの部分」と呼ばれるようになりました。

アラビアで作られたわけではありません。伝わった道が名前になった例です。 近年は原語に戻してロットと呼ぶことが増えています。

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