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第8部 易 / 8-4

卦を立てる
── 銭の振り方

易の答えになる六本線の形(卦)を出すことを、「卦を立てる」といいます。やり方は、三枚の硬貨を六回投げるだけ。一分で終わります。細い竹の棒の束(筮竹・ぜいちく)を使う方法もあり、こちらは十五分ほどかかります。出る卦の種類は同じですが、線ごとの出やすさが少し違います(下の「筮竹との違い」)。

この記事で分かること
  • 三枚の硬貨で、易の六本の線を一本ずつ決める手順
  • 「動く線」とは何か、どんな出方のときに生まれるか
  • 答えを読みやすくする、問いの立て方

方位の神が案内します。十円玉を三枚、手元に用意してください。一回投げるごとに線を一本書き、六回で一つの形ができあがります。

用意するもの

硬貨三枚。穴あきの古銭が伝統ですが、十円玉三枚で十分です。 表と裏が区別できれば何でも使えます。 銭(硬貨)を投げるこの方法を、擲銭法(てきせんほう)と呼びます。

表(おもて)陽とみなす。値は3
裏(うら)陰とみなす。値は2
どちらの面を表にするか
古銭は、文字の書いてある面を表、無地の面を裏と呼ぶのがふつうです。十円玉なら、平等院鳳凰堂の面が表です。
なお、中国の古い擲銭法では、無地の面のほうを3と数える流儀もあります。 表と裏の出やすさは同じなので、最初に自分で決めておけば、どちらを3にしても結果の出やすさは変わりません。 途中で変えないことだけが大事です。

手順

  1. 問いを決める訊きたいことを、はっきり言葉にします。ここがいちばん大事です。
  2. 三枚を同時に投げる振ってから落とします。
  3. 表の数を数え、値を合計する表は3、裏は2。合計は6・7・8・9のいずれかになります。
  4. 下から一本ずつ記録する一回目が初爻(いちばん下)、六回目が上爻(いちばん上)。
  5. 六回繰り返すこれで六本の線が揃い、卦ができます。

合計の意味

表の読み方:左の「表の枚数」から右へ読みます。合計が奇数(7・9)なら陽の線、偶数(6・8)なら陰の線です。 表が二枚でも陰になるので、枚数ではなく合計で決まると覚えてください。 右端の「動く」は、三枚が表か裏にそろったときだけです。

表の枚数合計呼び名線動くか
3枚9(3+3+3)老陽(ろうよう)陽 ⚊動く
2枚8(3+3+2)少陰(しょういん)陰 ⚋動かない
1枚7(3+2+2)少陽(しょうよう)陽 ⚊動かない
0枚6(2+2+2)老陰(ろういん)陰 ⚋動く
「動く」とは何か
三枚とも表(老陽)、三枚とも裏(老陰)のとき、その爻(線)は動爻(どうこう。変爻・へんこう、とも呼びます)になります。
動爻はこれから反対に変わろうとしている線です。 陽が極まって陰へ、陰が極まって陽へ。陰陽の「極まれば転じる」 (1-1)が、そのまま仕組みになっています。
動爻があると、動いた線をひっくり返したもう一つの卦(之卦・しか。この先の形)が出ます。8-6で扱います。
やってみる(説明用に選んだ出方)
問いを決めて、六回投げたとします。
・1回目:表・裏・裏 → 3+2+2=7(少陽)。陽の線をいちばん下に書きます
・2回目:表・裏・裏 → 7(少陽)。陽の線をその上に
・3回目:表・表・表 → 9(老陽)。陽の線に「動く」印を付けます
・4〜6回目:どれも表・表・裏 → 8(少陰)。陰の線を三本、上へ積みます
できた形は、下から 陽・陽・陽・陰・陰・陰。下の三本が乾(天)、上の三本が坤(地)なので、11 泰です(8-3)。 三本目が動いているので、この先の形(之卦)も出ます。 萬象暦の易占いで「決めようとしていること」を選んでこの形が出ると、答えのいちばん上に「大吉の形」と★五つが示され、迷わず進めてよい、という意味の答えが続きます。 動いた線の読み方は8-5、この先の形の出し方は8-6で続けます。

確率

三枚の硬貨の出方は八通りです。

結果通り確率
老陽(表3枚)1通り1/8 = 12.5%
少陰(表2枚)3通り3/8 = 37.5%
少陽(表1枚)3通り3/8 = 37.5%
老陰(表0枚)1通り1/8 = 12.5%

動爻が出る確率は、一本あたり四分の一。 六本のうち平均で一・五本が動く計算になります。

筮竹との違い
伝統的な筮竹の方法(本筮法・ほんぜいほう)では、確率が少し違います。 老陽が3/16、老陰が1/16、少陽が5/16、少陰が7/16。
動爻の出る割合は合わせて四分の一で擲銭法と同じですが、筮竹では陽が動く(老陽)ほうが陰が動く(老陰)より三倍出やすく、擲銭では同じになります。 擲銭法は、手軽に立てられる方法として広まりました。この章では手順が分かりやすい擲銭法を紹介します。

萬象暦の易占い(「易で変化を見る」)も、この章と同じ三枚の銭の方法で卦を立てます。

萬象暦ではこう出ます(くわしく)

一本の線ごとに三枚の銭の表裏を乱数で決め、表を3・裏を2として合計し、上の表のとおり老陽・少陰・少陽・老陰を決めます。 六本ぶん決めて、一本目をいちばん下の線として並べます。 生年月日や日付は使わないため、投げるたびに別の卦が出る可能性があります(引き直しの考え方は8-8)。

画面の図では、動いた線に○(老陽。つながった線が切れた線へ変わる)、×(老陰。切れた線がつながった線へ変わる)の印が付きます。 問いは「決めようとしていること」「仕事・役割」「恋愛・二人の関係」「人間関係」「これからの流れ」の五つから選びます。

問いの立て方

易でいちばん大事なのは、問いの立て方です。

よい問い「この転職を進めるとどうなるか」「いまこの人と話すべきか」── 状況と選択がはっきりしている
ぼんやりした問い「私の未来は」「幸せになれますか」── 範囲が広すぎて、答えを当てはめにくい

ぼんやりした問いは、期間と場面を足すと良い問いに変わります。 「私の未来は」なら「この一年、仕事で何に力を入れるとよいか」、「幸せになれますか」なら「いまの彼との関係を深めるには、何から始めるとよいか」。

易は状況を映す鏡です。何を映したいかを一文に決めてから鏡をのぞくと、答えがはっきり見えます。 萬象暦の易占いでも、五つの問いの種類から選ぶ前に、訊きたいことを一文にしておくと読みやすくなります。

避けたい訊き方

卦を立ててみる

萬象暦占いの「易で変化を見る」では、問いを五つから選び、この章と同じ三枚の銭を六回投げる方法で卦を立てます(銭の表裏は乱数で決まります)。「今の形」の図に六本の線が並び、動いた線には○(老陽)・×(老陰)の印が付きます。無料で、登録は要りません。

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