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第8部 易 / 8-1

易とは

易(えき)は、硬貨などを投げて出た六本の線の形から、いま抱えている問いへの答えを読む占いです。生年月日は使いません。訊いたその時の状況と、そこからどう変わっていくかを読みます。もとになった書物は周の時代(三千年ほど前)にさかのぼるとされ、いまも使われています。そして占いの書であると同時に、哲学書でもあります。

この記事で分かること
  • 易がどんな占いで、生年月日を使う占いと何が違うか
  • 元になった本『易経』が、占いの本であり思想の本でもあると言われる理由
  • 第8部をどの順で読めば、自分で易を立てて読めるようになるか
第8部 易

方位の神が案内します。ここでは、易がどんな占いで、どの順に読めば自分で卦を立てて答えを出せるようになるかを見ます。すぐ試したい人への近道も、このページの最後に置いてあります。

萬象暦の易占いでは、三枚の銭を六回投げたときの表裏をもとに、六本の線を組み合わせて結果を読みます。

たとえば「この転職の話を進めるか」と問いを決めて銭を投げ、下の三本がつながった線、上の三本が真ん中で切れた線になったとします。 この六本の形を卦(け)と呼び、全部で六十四種類あります。この形は「泰(たい)」という卦で、 天と地が通い合い、物事がよく巡る状態を表します(形から名前を出す方法は8-3)。 さらに六本のうち「動く」と出た線があれば、そこをひっくり返したもう一つの卦が、この先の流れを示します(8-6)。 易の答えは、このいまの形と変化の先の組み合わせです。

この例なら、答えは「進めてよい、追い風」。萬象暦の易占いで「決めようとしていること」を訊いてこの形が出ると、いちばん上の段階の「大吉の形」と★五つで示され、迷わず進めてよい、話がまとまりやすいうちに形にして、という意味の答えが出ます。

変化を扱う書物

易という字は「変わる」という意味です。 『易経』は、物事がどう移り変わるかを六十四の型にまとめた書物です。

成立は紀元前十世紀ごろの周とされ、 孔子が愛読したと伝えられます。 儒教の五経(易・書・詩・礼・春秋)の筆頭に置かれ、 中国の思想全体の土台になりました。

占いであり、哲学でもある

『易経』は二つの層でできています。

経(けい)六十四卦とその言葉。占いの本体。周の時代のもの
伝(でん)経の解説。哲学的な注釈で、十翼と呼ばれる。孔子の作と伝えられるが実際は後代

つまり、占いで出た形に対する「答えの言葉」が経で、それを生き方の教えとして読み解いた解説が伝です。 この二層構造のおかげで、易は 占いとして使うことも、思想書として読むこともできます。 易を学ぶ人には、占いに興味がない人も少なくありません。

「易」という字の話

「易」の字は、とかげ(体の色が変わる)の形だとも、日と月を組み合わせた形(明暗が移り変わる)だとも説明されてきました。どちらも「変わる」につながる説明です。

三つの意味があるとされます

呼び名読み意味するところ
変易へんえきすべては移り変わる。同じ状態は続かない
不易ふえき移り変わるという法則そのものは、変わらない
簡易かんいそのしくみは、突き詰めれば陰と陽の二つだけ

変わり続けること、変わらない法則があること、それがきわめて単純であること。 後の時代の人は、易という一字に、この三つの意味を重ねて説明してきました。

誰が書いたのか

伝えられている話では、四人の手を経たとされます。

  1. 伏羲(ふっき)八卦を作った、とされる伝説上の人物。紀元前の、そのまた昔の話です。
  2. 周の文王八卦(三本線の八つの形)を二つ重ねて六十四卦にし、それぞれの卦全体に言葉(卦辞・かじ)を付けたとされます。 幽閉されていた間に書いた、という伝えが残っています。
  3. 周公旦文王の子。六本の線(爻・こう)それぞれに言葉(爻辞・こうじ)を付けたとされます。
  4. 孔子解説(十翼)を書いたとされます。ここで易は、占いの書から 思想の書へと性格を広げました。
ただし、これは伝承です
実際には長い年月をかけて、多くの人の手で少しずつ積み上がったものと考えられています。 文王も孔子も、後から結びつけられた可能性が高い。
それでも、この四人の名前は覚えておいて損はありません。 易の本を開くと、必ずと言っていいほど出てくるからです。

ライプニッツと二進法

易の卦は、陰と陽の二種類の線でできています。 0と1の六桁と考えれば、二進数そのものです。

数学者ライプニッツは一七〇〇年ごろ、 宣教師から送られた易の図を見て、 自分が考えていた二進法と一致していることに驚いたという記録が残っています。

易が二進法の起源だとは言えませんが、 陰と陽の二種類の線で六十四の形を作る発想は、二進法とよく似ています。

他の占いとの違い

易四柱推命・占星術
使うものその場で立てた卦生年月日と時刻
読むものいまの状況と、その先の変化生まれ持った性質と運の周期
回数問いを変えれば何度でも訊ける(同じ問いは一度で受け取る)一生変わらない
向く問い「この件、どうすればよいか」「私はどういう人間か」

易はタロットに近い占いです。 違いは、タロットが絵柄で答えるのに対し、易は言葉で答えること。 そして変化の方向まで示すことです(8-6 之卦)。

学ぶ順番

  1. 陰陽と八卦三本の線が八つの形になります(8-2)
  2. 六十四卦八卦を二つ重ねます(8-3)
  3. 卦の立て方三枚の銭を六回投げます(8-4)
  4. 爻を読む六本のどこが動いたかを見ます(8-5)
  5. 之卦動いた線が示す、次の形(8-6)
  6. 六十四卦一覧出た卦の意味を引きます(8-7)
  7. 日常に使う何を訊き、答えをどう扱うか(8-8)

すぐに試したい人は、8-4 で卦の立て方を読んでから、8-7 の一覧で出た卦を引くだけでも始められます。

易は、覚えることが少ない占いです
八卦(八つ)と、六十四卦の名前だけ。四柱推命の十干・十二支・通変星に比べれば、 暗記量ははるかに少ない。
難しいのは卦の言葉を、いまの状況に当てはめるところです。 ここは経験がものを言います。
卦を立ててみる

萬象暦占いの「易で変化を見る」では、問いを五つ(仕事や恋愛など)から選び、三枚の銭を六回投げる方法で卦を立てます(銭の表裏は乱数で決まります)。画面には、選んだ問いへの答えと、「今の形」、動いた線があれば「この先の形」が並びます。無料で、登録は要りません。

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