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萬象暦 占いシリーズ占い入門 > 道具は要るのか

第13部 占いの道具 / 13-5

道具は要るのか

ここまで十数種類の道具を見てきました。最後に一つ考えます。そもそも、なぜ道具が要るのか。答えは、思っているより実用的です。

道具は三つの仕事をしています

その一 偶然を作る

人は本当にでたらめな選択ができません。 「適当に一枚選んでください」と言われても、手前のものや、 なんとなく好きなものを選んでしまいます。

筮竹を四本ずつ数える、三枚の銭を投げる、七十八枚を切って並べる。 これらは本人の好みが入り込まないようにするための手続きです。 意図を排除するために、わざと面倒な手順を踏んでいます。

その二 時間を作る

筮竹で一つの卦を立てるには十五分かかります。 タロットを切って並べるのに数分。この時間は無駄ではありません

相談者はそのあいだ、自分の問いをもう一度なぞります。 何を訊きたいのか、なぜ迷っているのか。 答えが出る前に、問いのほうが整理されます。 占いの効き目のうち、かなりの部分がここにあります。

その三 責任を預ける先を作る

これがいちばん大きいかもしれません。

「あなたが決めなさい」と言われて決められる人は、そもそも占いに来ません。 道具があると、決めたのは自分ではなく、出た札だという形が作れます。

これは逃げではありません。人が大きな決断をするとき、 最後のひと押しを外から借りるのは、ごく自然なことです。 道具は、そのための装置として働いています。

だから、道具はなくても成立します

四柱推命も西洋占星術も九星気学も、道具を使いません。 生年月日という、すでに決まっている偶然を使うからです。

この二つの系統は、性格がはっきり違います。

道具を使う占い(易・タロット・ルーン)その場の問いに答える。何度でも訊ける。「いま、どうするか」向き
道具を使わない占い(四柱推命・占星術・九星)生まれ持ったものを読む。一生変わらない。「自分はどういう人間か」向き

そして、道具は当たりません

はっきり書いておきます。 高い道具ほど当たる、ということはありません。 水晶球が本物の水晶かガラスかで、結果は変わりません。 カードが数千円か数万円かも、関係ありません。

道具が果たしているのは、偶然を作り、時間を作り、預け先を作ることです。 そのどれも、値段とは関係がない

もし「この石を買えば運が良くなる」と言われたら、 それは占いの話ではなく、物を売る話です。区別してください。

第13部は、これで終わりです
道具の話は、占いそのものより人が何を求めているかをよく表します。 三千年前に亀の甲羅を焼いた人も、今朝コーヒーカップをひっくり返した人も、 やっていることは同じです。
自分では決められないことに、外から一つ形を与えてもらう。 それが占いの、いちばん古くて変わらない働きです。
道具を使わない占いを、試してみる

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